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現役東大生が考えるデジタルノート機能の活用方法とは?

現役東大生の“デジタルノート機能”活用法

白木 裕一朗 さん
プロフィール

白木 裕一朗 さん

理学部
物理学科

目指す職業:大学教授
高校時代の得意科目:数学
高校時代の苦手科目:国語

デジタルノート機能の「わたし独自」のまとめ方

物理学科ということで物理についての事柄をまとめてみました。今回のテーマは「マクスウェル」です。左上のふせんではマクスウェル方程式などの電磁気学を解説しています。マクスウェル方程式は電場と磁場各3成分の満たす条件を記述したものと見ることができますが、マクスウェル方程式自体は4本あり、そのうち2つがベクトル方程式なので合計8つの制約を電場と磁場に与えていることになります。しかし、実際はそのうち2本は、ある時点で満たされれば未来永劫、また過去に遡ってもずっと満たされていることが式変形によってわかるので実際に電場と磁場に制約を与えるのは合計6本の方程式となり、「ちょうどよい」方程式系になっていることがわかります。

そのような形でマクスウェルの仕事は電磁気学でうかがい知ることができる一方、気体分子の速度分布を与えるマクスウェルボルツマン分布でもその名前を見ることになります。高校物理では気体粒子の速度を全部同じとするなど、速度分布を意識することはあまりないと思います。実際に速度分布を測定しようと思ったら、気体を入れた箱に小さな穴を空けてそこから少し離れたところに特殊なフィルム付きの回転式ドラムを設置し、フィルムの黒化度から実証することになります。黒化度の理論曲線が左下の図で、右上がClassPad.netのグラフ描画機能で描いたグラフです。

マクスウェルボルツマン分布についてもっと知りたければClassPad.netのEX-word機能から物理事典を引いて調べることもできますし、マクスウェルに興味が湧いたら日本大百科全書で彼の生い立ちを詳細に見ることもできます。

デジタルノート機能の活用法イメージ
物理事典

物理事典

旺文社

お薦めのオンライン辞書

この事典は物理に関する事柄を一般の方にも分かりやすく解説したものです。高校の教科書ではあまり詳しく解説されていないようなことも、キーワードを入力するだけでかなり詳しく整理された情報が出てくるので物理に対する好奇心を引き立て、さらに物理が好きになり、気になった単語を調べる、といった好循環を作り出すことができると思います。

ClassPad.netでは複数の調べた結果をふせんとして同一ノートに保存できるのであとから見返したときもストーリー性をもって概念を復習できてオススメです。「物理事典」というだけあって、内容も高校物理の頻出分野から大学で僕がまだ習っていないような内容まで多岐にわたり、好奇心を満足させてくれること間違いありません。ただ、あくまでも事典なので細かな式変形は省略されていることが多く、その行間を埋めるような式変形はClassPad.netのテキスト入力機能で傍らに記すことで後で見返したときも助かる、自分だけの事典が完成します。

物理の世界では、ローレンツなど多くの分野で目にする名前が、実は名字が同じで名前が違う別人だった、ということがかなりあります。これを避けるには常日頃から物理学の偉人についての情報をインプットしておく必要があります。そんなときも物理事典があればその人が何を発見・証明したのか、何年まで生きていたのかなどの科学史を知ることができ、オススメです。他にもClassPad.netではインターネット上の情報もノートに埋め込めるので物理事典と比較して信憑性を評価する、といった使い方もできそうですね。

使いやすい・便利だと感じるところ

ノートの再整理

ノートは学校や塾で教科ごとに作成することが多いかと思いますが、Classpad.netはそうではなく、自由帳の要領で思いついたテーマから連想ゲームのように気になった分野、現象、定理のマインドマップを作成する、といった使い方が良いのではないかと思います。こうすることで科目ごとの縦割り的発想から抜け出し分野横断的な、大学入学後に役立つような思考法が養われると想っています。

上で述べたような分野横断的なノートを作成するには基本的にかなりの知識量が要求されます。これは高校生の段階では正直難しい部分があると思います。ですが、そんなときはEX-wordの辞書機能を使うと良いでしょう。キーワードを複数辞書検索にかければいろいろな分野の事典で同時に検索したことになり、それぞれの事典で関連キーワードを手繰ればいつの間にか体系化した知識と自分だけのノートが得られているはずです。その他にも数学ツール「ClassPad Math」のグラフ描画機能が便利です。紙のノートでグラフの概形を描く機会は少なくないと思いますが、方程式が複雑になってくるとその概形は(複数回の微分と代入を繰り返さなければ)想像できないと思います。そんなときにこの機能が活躍し、y=f(x)のように方程式を入力するだけで定義域まで補って表示してくれるので、直観的な理解が促進されると思います。

良いと感じるポイント

辞書のページをノートに貼り付けられるところ/ファイルふせん機能/文字入力がタイピングと手書き両方に対応しているところ

辞書のページをノートに貼り付ける機能。これは「ありそうで無かった」の一言に尽きます。従来のノートで同じことをしようと思うと辞書を破って貼り付けるしかありません。これでは裏面のページが犠牲になりますし、手間も掛かります。同じページを他のノートに貼り付けようと思っても、もうできないわけです。その意味でこの機能は革命的と言えるかもしれません。ファイルふせん機能はまだまだ活用の余地があります。

現在は高校などの教育現場にもICT化の波が押し寄せており、従来紙で配布されていたプリントが電子ファイルで配られる、といったこともあるようです。そんなとき、このファイルふせん機能でそれをそのままノートに貼り付け、EX-wordの辞書機能を併用すれば自分だけの最高の解答集が完成するでしょう。また、電子ファイルなのでかさばりません。もう一つ良いなと思った点は文字入力がタイピングと手書き両方で可能という点です。ふせんに図などを描く際は手書きが便利な場合がありますが、多くの日本語はタイピングの方が効率的です。ノートとワードプロセッサーの良いところをうまく融合しているな、という印象です。

※2022年7月現在の現役東大生

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