現役東大生の“デジタルノート機能”活用法
小林 大洋 さん
教養学部
理科二類
目指す職業:起業家、法曹、政治家
高校時代の得意科目:化学、地理、国語、美術
高校時代の苦手科目:物理、英語
デジタルノート機能の「わたし独自」のまとめ方
まず大前提として何事にも動機付けが必要です。例えばテストで数学の三角比の問題のミスが多ければその復習をするでしょうし、漢字検定を受験するならその勉強をするでしょう。何かしらの動機付けがあって初めて勉強が始まります。ただその動機付けが「東大に受かりたい」「将来お金持ちになりたい」といった遠い未来の夢や目標であればあるほど、学習効率は悪くなる傾向があります。したがって私のデジタルノートでは、直近テストでわからなかった問題を動機付けとすることにしました。間違えた問題とその改善策を考え、そこからの派生として以後の類題に対するさらなる対策に繋げていく、いわゆるマインドマップ的な勉強法を実践しました。
テストでわからなかったexpelの意味だけでなく、その語源であるexの意味、そのexが語源となっている他の英単語、さらにはexの対義的語源のinに至るまでをカバーすることで、次回のテストでは語源からわからない英単語の意味を推測できるようになることでしょう。また、inが「中に」という語源であることを調べた際に出てきた「反対」の意味のinを書き加え、二つのinの区別を自分なりに分析して<イメージ>として記しました。まとめた当時の<イメージ>を後々確認してみてそれが正しいか否かを判断することもさらなる記憶の定着に繋がるでしょう。最後にイラストを書き足すことによって視覚的な記憶の定着を図り、また参考動画のリンクを貼ることで、わからないときに即座に講義を開いて復習できるようなデジタルノートを作成しました。
ビジュアルカラー国語便覧
大修館書店
お薦めのオンライン辞書
高校時代、自分は紙の辞書を使っていました。理由としては、紙の辞書を引くことがプラスアルファの知識につながり得るからです。例えば、banal(平凡な、ありふれた)という英単語を紙の辞書で引いてみてください。その周辺にbanana(バナナ)というお馴染みの英単語があるはずです。banalという単語がわからなくて紙の辞書を引いてみると、その周辺にbanana、スーパーで年がら年中売っている平凡でありふれた果物が見つかります。さて、ここが記憶の定着ポイントです。以後あなたはbanalが出てくると「banal→banana→平凡な、ありふれた」という思考のプロセスによって2度とbanalの意味がわからないということは無くなるでしょう。最近の電子辞書では調べた単語の意味しか出てこないことが多々あります。周辺の類義語や、banal & bananaなどに邂逅する経験がめっきり減っているように感じます。
以上の理由から私は基本的には辞書は紙の辞書を使うことにしています。ただ国語便覧に関しては、オンライン辞書で使えるのは非常に便利で有効的だと考えます。便覧を使用する高校生は少数でしょう。しかし自分は二次試験で国語を使用する東京大学を志望していたこともあり、隙間時間に国語便覧で古典常識などを確認することが多々ありました。そうは言っても使用頻度の少ない便覧を持ち歩くのは大変ですし、何が何ページに書いてあるのかも分かりにくい。オンライン辞書があればその悩みを一気に解決してくれるでしょう。
使いやすい・便利だと感じるところ
試験対策などで友達と勉強内容や方法を共有するとき、数学の問題を解くとき
友達に勉強を教えてもらう、教えてあげるという場面が多々あるかと思います。実際に高校時代、自分は数学の問題がわからない友達に解き方のヒントや思考法を教えていたのですが、学校の藁半紙の裏に薄いシャーペンの芯で描いた図や、自分の拙い文字を見た友達が「お前字汚いから全然分からんわ(関西弁)」と言って一から口で説明しなければならない場面もありました。しかしそんなときClassPad.netを使うことで自分が高校時代に抱えていたこの問題を解決できるのではないかと考えました。例えば数学のグラフは数学ツール「ClassPad Math」で容易に作成することができます。またグラフでは、パラメータを設定し、それを動かすことによって視覚的にグラフの移動を見ることができるというポイントも重要です。綺麗なグラフを作成し、そこに直接計算を書き込んでいく。それによって自分にとっても、教えてあげる友達にとっても見やすいものになると思います。
また、数学の公式集(自分が高校時代に共通テストの会場に持って行ったのと同じやつです)からも公式を引用することができ、それによって学習の精度がより高まると考えられます。最後に、数学の問題を解く際に使える機能としてふせん機能の重要性を挙げておきます。一見ただのふせんに思えるかもしれませんが、数学では非常に役立ちます。そもそも数学の問題は「理解」「計画」「実行」「検討」という4つのプロセスを踏むことでほぼ確実に問題を解くことができます。それらをそれぞれ色付きのふせんでハイライトすることで視覚的に自分が現在どの段階にいるのかを明確にし、また復習の場面でもそれぞれの段階に分けて復習できるというメリットがあります。
良いと感じるポイント
自分が一番気に入っているのはファイルやリンクを挿入できるポイントです
勉強において自分が最も大事なことだと考えていることは「続けること」です。何事も「継続は力なり」と言われますし勉強もその例外ではありません。ではどうすれば勉強を「続けること」ができるでしょうか。その答えは単純明快です。飽きなければいいのです。人間誰しも飽きによるモチベーションの低下があります。ではその飽きによるモチベーションの低下を未然に防ぐにはどうすれば良いでしょうか。自分が考える最も良い方法は視覚的なコントロールです。例えば毎日勉強する場所を変えてみる、一緒に勉強する友達を変えてみる等です。しかしそれだけではありません。根本的な勉強内容についても視覚的にコントロールすることができます。それがイラストや図といったビジュアルです。私が作成したデジタルノートにもありましたが、実際に自分でイラストや図を描いてみて活字以外に視線を動かしてみる。そうすることで思考がリセットされ、また印象付けられて記憶力が上昇したり長期記憶に繋がったりします。
また勉強とは全く関係のない自分の好きなアニメキャラや動物などの写真をデジタルノートに貼ることで自らの学習を彩ってあげるのも効果覿面かもしれません。また、YouTubeのリンクなどを挿入することで、すぐにリンク先に飛んで学習できるというのも素晴らしいポイントだと思います。ただ自分一人で能動的に学習するのではなく、YouTubeにアップロードされている質の高い授業を受動的に受けてみるのも勉強のリフレッシュになると思います。デジタルノートのそれらの機能を活用して勉強の効率化、モチベーションの上昇を図っていきましょう。
※2022年7月現在の現役東大生