現役東大生の“デジタルノート機能”活用法
川原 凌 さん
理学系研究科
生物科学専攻濡木研究室
目指す職業:研究職
高校時代の得意科目:化学
高校時代の苦手科目:国語
デジタルノート機能の「わたし独自」のまとめ方
高校生物の分野で「抗体」に着目しました。イメージとしては学校の授業で聞いた要点をふせんにまとめ、そこに追加情報などを足していったものです。忘れていそうな用語には赤ペンで印をつけるとともに、生物事典でその用語について調べ近くに添付してみました。また特に大事だと考えた部分には青ペンで印をつけ、同じく生物事典で検索してきた図表を貼り付けました。これによってノートを見返した際の分かりやすさの向上と、自らの画力をカバーすることを狙いました。
一つの「抗体」というトピックをさらに二分し、異なる色のふせんを使ってまとめました。こちらのふせんでは本題に対して、それを研究した研究者についてのような補足的な情報も書き足しました。私自身どの教科においても豆知識やトリビアのような部分に興味を抱くことが多く、それを起点に勉強のモチベーションを上げていくことが多い高校時代でしたので、当時の自分が学習へのやる気を起こすようなノート作りを意識して補足情報を記載した次第です。またこちらについても辞書機能を生かし、「利根川進」さんについての情報も載せました。
豆知識的な話として、つい先日「アルパカ抗体が新型コロナウイルスに有効」というニュースがあったため、関連情報としてリンクを貼ることで少しでも興味を引くような構成にしてみました。様々なサイトのリンクを載せることができる利点を生かし、「抗体」について授業をしてくれている動画のリンクも貼り、内容に躓いてしまった際にも安心な内容としました。
化学事典
旺文社
お薦めのオンライン辞書
高校生の当時、物理・化学選択であった私にとって覚えることが多い科目は化学でした。無機化学では元素単体のみならず様々な化合物の名前、化学式、性質、色、化学反応式を頭に入れておかなければなりません。有機化学においても色々な物質の構造式、それらが持つ官能基の形や名前、特徴というように知識が重要となることが多い科目です。多くのものを一度に覚えるのは難しく、思い出せないもの・覚えられていないものをその都度確認して覚えていくことが大切だと思います。その点でオンライン辞書として搭載されている「化学事典」は勉強や暗記の助けになると感じました。
この「化学事典」は気になったものをすぐ調べることができるという点だけではなく、その内容も充実しています。例えば「ベンゼン」と検索するとベンゼンの分子式や分子量、融点や沸点といった基本的な情報を確認することができます。しかしそれだけではなくベンゼンの構造式も図表として掲載されているほか、ベンゼンが関与する化学反応式、ベンゼンの化学史における話やベンゼンの用途の情報まで幅広く確認することもできます。もちろん関連語としてベンゼン系のその他の化合物の情報も見ることができるようになっていて、痒い所に手が届きます。覚えることが多い分、化学系の参考書は分厚いことが多く持ち運びに少し難がある印象ですが、オンライン辞書であれば画面上でいつでも見ることができ大変便利だと感じました。
使いやすい・便利だと感じるところ
授業中のノート替わりに活用する
ClassPad.netは授業中に取るノート替わりに利用できるほか、それ以上の価値を発揮してくれると思います。基本的な機能としてふせんの機能がありますが、文字を入力する方法に加えて手書きをする機能も備わっているため、紙のノートと遜色ない出来を実現できると思います。一度書いたふせんは自由に場所を動かしてノート全体のレイアウトを変更することもできますし、気に入らなければ文章を修正したりふせんごと削除したりすることができます。これは紙のノートと比較して明確な利点であると思います。その上でClassPad.netの独自の機能を用いるとオリジナリティ溢れる自分専用のノートに仕上げることも可能になっています。
授業中にノートに書き留めることができる量は限られているかもしれませんが、授業後にノートの内容を見返してまとめなおすことができます。例えばよく分からなかった単語があれば辞書機能を用いてその単語の意味を貼り付けておくことができます。もっと知りたいことがあれば発展的な内容を扱うサイトを検索して、そのリンクを載せることも可能です。授業中に配られたプリントがあればこれを撮影して貼ることもできます。こういった機能も従来の紙のノートであれば成しえなかったことだと思います。これによって授業内容の復習も兼ねつつ自分なりのノート作成をすることができると思います。
良いと感じるポイント
オンライン辞書で調べたものをノートに貼り付けられる点
オンライン辞書で調べた単語を、その説明文ごと貼り付けられる機能がとても便利だと感じました。紙の辞書を使う時によくあることとして、どうしても覚えられない単語を何度も引いてしまうことがありますがClassPad.netの機能を使うとこの手間を省くことができます。紙の辞書であれば知らなかった単語や覚えられない単語にマーカーで線を引くこともあると思いますが、どうしても膨大なページ数があるためどこにマーカーを引いたかが分からなくなりがちです。ですがこの機能ではあたかも辞書を切り抜いてそのまま貼るかのようなことができ、大変役に立ちます。
また、一度調べた単語を忘れないようにするために意味を書き留めるという場面もあると思いますが、英単語のように複数の意味を持っていて書き写す手間が大きい場合でも貼り付けるだけでよいので労力がかかりません。さらに便利なのは、検索した単語の意味はもちろんのことですが図表までも貼り付けることができるようになっています。従来のノート作成においては自力で模写するかコピー機でコピーをして貼り付けるなどの手間がかかっていたものも、1クリックで済ませることができるうえ、見栄えもよいものです。もちろん貼り付ける位置やサイズ、背景の色も後から変更することができるので自分なりの分かりやすいノート作成に一役買ってくれると思います。この機能はお勧めするに値すると思います。
※2022年7月現在の現役東大生