「自己紹介」→「他己紹介」の変換を通して代名詞を学ぶ授業
ClassPad.netを活用して、4技能を伸ばす授業構成を実現
江東区立辰巳中学校
〈東京都〉
柴田 さや香 先生
教科:英語 指導学年:一年生
教育目標
生徒の能力や個性を最大限に伸ばすことが、
義務教育最後の3年間の仕事
義務教育を終え社会に巣立っていくことを踏まえ、子どもたちが持っているそれぞれの能力や個性を最大限に伸ばしてあげることが、義務教育最後の3年間を支える中学校の仕事だと思っています。
その上で本校では、目指す人物像として五つの目標を掲げています。
一つ目は、健康でたくましい人。二つ目は、進んで学ぶ意欲のある人。
三つ目は、人権教育の観点から、周りの人に思いやりを持って接する人。
四つ目は、礼儀正しい人。コミュニケーションをとるために、挨拶をしっかりできる人になって欲しい。
五つ目は、責任を果たす人。人は、役割があることで生きがいを感じると思います。その役割を一つ一つ達成していける人になって欲しいと思っています。
ICT教育の課題・テーマ
生徒には、愛着を持ってICTを習得してもらいたい
GIGAスクール構想に基づき、本校も令和3年度から江東区の整備したChromebookを活用しています。生徒は一人一台の端末を持ち、授業や課外活動、特別活動に使用しています。最初のうちは教員も四苦八苦していましたが、4年間様々な形でICTを学習に取り入れ、慣れてきたと感じています。
やはりこれからの時代は、ICTが子どもたちの教育環境の前提になっていくと思います。そして、ICTを駆使できる社会人であることが求められてくる。子どもたちには、この義務教育最後の3年間で、愛着を持ってICTを習得してもらいたいと思っています。
端末整備状況
現在江東区では、区立小中学校に一人一台の端末を配備済みであり、本校でも生徒全員が活用しています。
ClassPad.net導入に至った経緯と理由
本校教員からの紹介で価値を実感しました。
他区から異動してきた教員が、授業支援ソフトを活用して授業をしていたと聞いていました。本校でもICTを活用したより良い授業をと考えていたところ、ちょうどカシオからClassPad.netの紹介があり、私自身良いものだと理解したためトライアル導入することとなりました。
授業の流れとClassPad.netの活用方法
デジタルノート機能を使い、生徒がふせんに自己紹介文をライティングする。
自己紹介文のスピーキング練習を行った後、ClassPad.netで音声を録音し提出する。
3〜4人のグループになり、自分の自己紹介をグループ内でスピーチし合う。
クラスメイトがスピーチした内容を自己紹介とは別のふせんにまとめる。
教師がサンプルの自己紹介をモニターで共有しながら、主語や所有格を変えて他己紹介の文章に変換する工程を説明する。
クラスメイトがスピーチした内容を他己紹介にライティングし直し、グループ内で発表する。
ICTを活用した授業を積極的に行っている理由
ICT活用、特に授業支援ソフトの利点は、生徒たちの意見を瞬時に拾うことができること、そして一覧性が高いことです。また、生徒たちの共通のエラー、例えば三単現のsを付け忘れている、あるいは複数形と混同してしまっていることなどが見つけやすいため、ICTを活用しています。
デジタル社会におけるネット検索の弊害や上手な付き合い方とは
授業に限って言いますと、英語科では翻訳機能が備わっているWEBサイトやアプリと、どのように付き合っていくかは常に課題となります。今まではそれらの使用を禁止していましたが、最近かなり性能が高くなり、「使うな」と言うのはもうおかしいのではと思い始めています。
生徒が一人で勉強していて質問できる人がいない時には利用しても良いと思いますし、それを自分のものにして表現できるようになるのであれば、どんどん活用していったら良いと思います。
ただ、全てを翻訳機能に頼ってしまうと学習に弊害が出てきます。あくまで自分が分からない時のサポートとして使っていく。あるいは最終的な授業でのゴールとして、翻訳機能を使って調べながら作った英作文を暗唱するなど、それを使って生徒がさらに何ができたのかを授業で見て行きたいと考えます。生徒たちには、翻訳機能を使う時に、どういったゴールを設定するかを教えていきたいです。
ClassPad.netの他教科への広がりについて
グループワーク機能はどの教科でも活用できると思いますし、音声の機能や動画撮影機能は、実技教科にとても便利だと思います。本校では、カリキュラムマネジメントの一環で、各教科間で授業を見合うということを行っています。この中で実際の活用を見ていただき、広めていきたいと思います。
宿題や自宅学習でのClassPad.netの活用機会
授業でやりきれなかったことを宿題にすることがあります。通常宿題は生徒が自宅で一人で行うものですが、グループワーク機能により他の生徒の提出物を見ることができるので、教え合いのような取り組み方ができます。
導入前と導入後の変化
漫然とした音読練習ではなく、クオリティを上げたいというモチベーションが生徒に生まれました。
今まで音読は、どこか漫然とやっていましたが、ClassPad.netの録音機能を活用し始めたことで、最終的に他人に聞いてもらうことが前提になり、生徒の音読のクオリティが上がりました。
漫然とした音読練習ではなく、最終的に自分の一番良いものを録音したいという気持ちがモチベーションになり、生徒たちも一生懸命になってきていると感じます。
お気に入りの機能・使い方
グループごとの進捗状況に合わせた適切な対応ができるグループワーク機能をよく使っています。
グループワーク機能は、教師側で任意の生徒のグループを作ることができるので、異なる習熟度の生徒で構成されるグループであっても、最終的には各グループを同じようなバランスにして、リーダーを決めるということも容易にできます。また、欠席の生徒が出た場合でも、生徒の入れ替えが簡単に行えます。
さらに各グループの進捗状況が、教師のページからは良く分かります。進捗状況を見て声がけを変えていったり、進行が早いグループにはプラスアルファのことを、遅いグループには相応の支援を、ということができます。
もう一つ、音声機能も気に入っています。生徒が録音し提出した音声を聞き、フィードバックすることができますので、この機能も英語科と非常に親和性が高いと思っています。
ClassPad.netを使用した今後取り組みたい授業
動画の送信機能を使いたいと思っています。
スピーチをする際、本番前のチェックとしてスピーチ動画を撮って教師に送信してもらい、教師のフィードバックを基に、より良くしたものをスピーチ本番で生徒に発表してもらう。そういった使い方を考えています。
生徒に聞いた、ClassPad.netの「良いところ」
ClassPad.netは、苦手な教科も自分のやりやすいように取り組むことができます。予習、復習も自分のタイミングでできますし、紙と鉛筆だけの時代に比べ英語のスペルも覚えやすくなりました。
学校でも、家でも、ClassPad.netなら他の人の答えや考え方、意見を参考にできたり、共有がしやすいところが良いと思います。何か分からないところがあった時に、すぐに調べられるのも便利です。