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導入事例

高校のICT教育を加速させるClassPad.net
パートナー校の先生が語る活用実践事例・成功体験

 第2回パートナー校教師合同MTG

普段の授業でClassPad.netをご活用いただいている高等学校の先生方にお集まりいただき、
ICT教育の推進方法やClassPad.netの具体的な活用方法、授業での成功体験を語っていただきました。

常葉大学附属菊川中学校・高等学校 鈴木淳也  先生

授業時間外でも細かくアドバイスでき、
制作過程での軌道修正に役立っています!

常葉大学附属菊川中学校・高等学校
〈 静岡県 〉
鈴木淳也 先生

※以前はパートナーシップ校である常葉大学附属橘高校でClassPad.netをご活用されていました

美術におけるClassPad.netの活用として三つの事例をご紹介します。

始めにご紹介するClassPad.netを活用した成功体験は、常葉大学経営学部・坪井ゼミと静岡県にあるピーター・パンというパン屋さんとコラボして行った商品企画の課題で、生徒たちは、静岡の特色のあるパンをデザインすることにチャレンジしました。
ClassPad.netの提出機能を使って、生徒たちがiPad上で書いたイラスト作品を収集しました。これらを一斉に大学の先生や関係者の方に提出フォルダーの形で見せることができたことが、非常に役立ちました。本課題は公開コンペのような形でパンのデザインを発表しましたが、細かい解釈が必要なものは個別に表示して見せることができ、商品のイメージをわかりやすく伝えられました。
生徒たちがデザインしたパンは実際に商品開発され、2024年の3月に販売されています。

鈴木淳也 先生の発表

二つ目は、松坂屋静岡店の空いているテナントを利用して静岡県の魅力を発信するイベントを企画する課題で、芸術探究の授業として実施しました。
地域の様々な問題を解決したり問題提起をしたりすることを通し、地域の魅力を発掘していくことを目指しています。地域の中にあるまだあまり知られていないご当地を発見して、その魅力を伝えるようなポスターを生徒たちにデザインしてもらいました。
このような取り組みにおいてはどうしても、制作の過程で方向がずれてしまう生徒が現れますが、授業時間外でもClassPad.netを介して、生徒全員に都度細かく具体的にアドバイスができたことで、コース全体の成功に繋がったと感じています。
このイベントは、各種メディアに掲載され、学校のPRにも繋がりました。非常に上手くいった活動だと思っています。

鈴木淳也 先生の発表

三つ目は、地域の未来の形を生徒にデザインしてもらう「プラグインフューチャー」という課題です。地域の問題や解決を前提にした実現可能な未来のイメージをデザインするこの活動は、大学で行うような難易度の高いものです。この課題では、ClassPad.netによって生徒たちとのやり取りが、授業中だけでなく、次の授業までの間で細かくできることで、生徒が次の授業までに具体的に準備すべきことをはっきりと指示が出せたことで、課題としては高いレベルまでできたという実感があり、ClassPad.netが活動において非常に重要なツールとなりました。この課題は1年間の集大成として、大学のギャラリーで展示、常葉大学の先生にもプレゼンテーションしました。

鈴木淳也 先生の発表

私はClassPad.netを授業で使い始めて3年になります。美術という教科では、こういったデジタルを使った活用例はあまりないのですが、実際に美術専攻コースで使ってみて、ClassPad.netはかなりのポテンシャルがあると実感しています。かつては2時間かかっていたコメントバックが、ClassPad.netの活用により30分に削減されました。それにより、ご紹介したような難易度の高い取り組みでも、生徒全員に対する適切なサポートが実現できたと感じています。

京都女子中学校・高等学校 東郷秀朋 先生

他者の意見から得られる気づきと評価される喜び。
その体験が主体的な学びに繋がっています!

京都女子中学校・高等学校
〈 京都府 〉
東郷秀朋 先生

「主体的な学習者を育てる探究学×ICTの教育デザイン」というテーマで、英語の文法学習の実践例としてご紹介します。
私は、英語の授業を通じて、高い次元で生徒自らが学び、内発的な動機を固めて、最終的にはいわゆる主体的な学習者を育てていくということを究極的なゴールとして考えています。

そこで、紙と黒板、チョークで行う昔ながらの授業スタイルから脱却しました。
単語や文法事項を学び、その後に作文させ、ClassPad.netで共有、その後全員でお互いにフィードバックする。この「単語→文法→発信→共有→評価」までを一つのパッケージとし、これが終われば次の単元に行くというサイクルで回しています。単語・文法はできるだけ効率的に行い、その分授業中の作文と共有にしっかり時間を確保するようにしています。

このサイクルでは積極的にICTを活用しています。
●単語:Googleフォームを使ったテスト
●文法:教科書の解説をYouTubeにUPしそれを生徒が自宅で視聴
●作文:ClassPad.netのデジタルノート機能でライティング
●共有:ClassPad.netの授業支援機能で提出&クラス全体に共有
●評価(添削):文法評価と内容評価にChatGPTを活用

東郷秀朋 先生の発表

自分が書いたものをクラス全体で共有できるという点が、ClassPad.netの最も優れた点だと思います。生徒たちは、他の生徒の解答が見られるのがとても勉強になるようで、成績トップクラスの生徒でも、他の生徒がどのような作文をしたのかは興味を持っていて、異なった表現の仕方があって勉強になると言います。

東郷秀朋 先生の発表
東郷秀朋 先生の発表

共有された解答に対し、自分の名前と評価したい生徒の名前、どんなところがよかったかを記入し、ClassPad.netで提出するということも行っています。自分の意見がクラスに共有され、その中で評価されることも、生徒の励みになっているようです。自分の近くの一人二人だけではなく、クラス全体から褒められることの喜びは非常に大きい。生徒たちがお互い評価し合う土壌ができたことはClassPad.netを中心としたICT活用の賜物です。

東郷秀朋 先生の発表

これまでだったら義務感で覚えていた文法が、新しい文法を習った時に、「この表現、もしかしたら次に書く時に使えそうだな」とか、「これ使ってみたいなと思うようになりました」と生徒が言うようになりました。これがまさに私が目指していた自ら学びたいという意識、すなわち主体的な学習者を育てられていると自己評価しています。

大阪産業大学附属高等学校 市川 典孝 先生

全員同じ辞書を使う状況を実現でき、
授業中の指示が通りやすくなりました!

大阪産業大学附属高等学校
〈 大阪府 〉
市川典孝 先生

「電子辞書との戦い」というテーマでClassPad.netの活用をお話します。
ClassPad.net導入以前、本校ではカシオのEX-wordを推奨機種として生徒に購入をお願いしていました。しかし、この機種でなければ絶対、というわけではなく、お祝いで違うものを買ってもらいましたという生徒もいて、それを否定することもできませんでした。

特進コースでは、入学式の翌日から合宿に行きます。そこで電子辞書の使い方の指導をするのですが、「先生、そのボタンありません」と手を挙げる生徒たちが必ずいます。EX-word前提で説明しても、機種やメーカーが違うと、操作方法が違う。同じカシオでも辞書が違うと内容が違う。カシオの生徒はこのボタン、他機種の生徒だったらこのボタン、辞書はウィズダムだと何番目、ジーニアスだと何番目に載っているということを、机間巡視しながら、都度指導しなければなりませんでした。これが私の「電子辞書との戦い」です。

市川 典孝 先生の発表
市川 典孝 先生の発表

GIGAスクールのビッグウェーブがやってきまして、令和2年度入学生より全員にChromebookを持たせることが実現しました。それから、Chromebookで使える辞書探しを経て、2021年にClassPad.netを知り導入を決定しました。

導入後、全員同じ画面・同じ辞書というのが非常に快適です。ClassPad.netは辞書のカスタマイズが可能なので、本校では英和辞典はウィズダム、英英辞典はオックスフォードとしました。それにより指示が通りやすくなりました。現在私が教えているクラスでは、辞書で調べてと言うだけで、全員がClassPad.netを開くようになりました。また、生徒からは電子辞書がスマホで使えるのが便利、という反応も出ています。

市川 典孝 先生の発表
遊学館高等学校 小坂英洋 先生

授業準備の効率化と
臨場感ある授業を実現できました!

遊学館高等学校
〈 石川県 〉
小坂英洋 先生

私は以前から学校全体で辞書をしっかり活用したいと考えていました。情報科の教師としては、インターネットで調べることには否定派です。何でも「ググる」という時代ですが、実際に本当の知識を得ようと思ったら辞書に勝るものはないという考えです。いかに生徒に知識力を持たせて、授業に繋げていくか。どうやって色々なことを調べさせて、生徒が自ら動くようにするか。「そのためには辞書だ」ということで、とにかく辞書の導入を進めてきました。

本校では20年ほど前に紙の辞書の販売はやめて、ハードウェアの辞書に切り替えましたが、任意購入だったこともあり70%ほどの所持率に留まっていました。そもそも持っていない生徒がいる、持っていても機種が違うという問題から、段々と先生方も授業中に使わなくなってしまい、そのうちに所持率が30%を切るという状況になり非常に苦慮していました。

その後2023年のChromebook導入と合わせてClassPad.netを契約したことで、100%の生徒が辞書を持つ状態を実現できました。辞書の活用を期待してClassPad.netを導入する中で別機能にも価値を感じ、今では授業をほとんどClassPad.netだけで進めています。

小坂英洋 先生の発表

毎回の授業でチョーク10本を折ってしまうほど板書が下手な私は、プリントをメインにしたスタイルで、極力板書を抑えた授業をしていました。今はClassPad.netの提出機能を使って、WordやExcel、PowerPointで作成しPDFに書き出した資料を、授業の前日までに当日のノートとして配っています。

授業ではその資料や教科書のスキャンを表示し、その内容をAI音声で読み上げます。生徒に当てて読ませるということはせず、課題を細切れに出しながら、解答や考えをノートに一生懸命書かせます。自分の手で書くことも大事だと思っているからです。その中で、生徒が分からないことがあれば、積極的に辞書を使うことを促しています。
ClassPad.netを導入したことでプロジェクター投影できるようになり、単に教師が前で説明するだけでなく、生徒の周りを歩きながら解説するなど臨場感のある授業を行うことができています。

小坂英洋 先生の発表
小坂英洋 先生の発表

また、書いたノートを写真で撮ってClassPad.netで提出させ、スタンプをつけたり、コメントを書いたりしながら、点数をつけて返しています。これにより書いたノートを生徒の手元に残しておくことができます。

小坂英洋 先生の発表
常葉大学附属橘中学校・高等学校 小澤祐太 先生

発表が苦手な生徒の意見を拾えるようになり、
学習意欲が向上!理解度も深まりました!

常葉大学附属橘中学校・高等学校
〈 静岡県 〉
小澤祐太 先生

ClassPad.netを活用したアクティブ型の授業として「双六(すごろく)から読み解く近世と近代の学びの比較」という課題の事例をご紹介します。

江戸時代は「身分社会」というのが一つのキーワード、一方近代明治時代になっていくと身分制が廃止され、「国民」がキーワードになります。
この変化について読み取る手段として、実際に当時遊ばれていた「双六」を使いました。例えば江戸時代では商人の双六は絶対商人のまま、上りは豪商です。一方、明治時代になっていくとそういった身分がなくなり、勉強することによって最終的に内閣総理大臣になるというように変わってくる。その変化を実際に双六で見て読み取っていくという授業です。

小澤祐太 先生の発表

生徒は授業内で読み取ったことをClassPad.netのデジタルノートを使ってレポートにまとめ、授業支援機能で提出します。それを私が添削し、ClassPad.netで生徒にフィードバックします。合わせて、提出された他の生徒のレポートを見て、そのレポートに対する意見を書き、それをまたクラスで共有する、といったことも行いました。

小澤祐太 先生の発表

このような情報共有をしたことによって、「この人はこういうことを考えているのか」「こういう意見もあるのか」という反応があり、授業後に取ったアンケートでは、約9割の生徒が、理解度が深まったと解答してくれました。他にも、「初めて歴史の授業らしい授業を受けました」という感想も。なぜ歴史を学ぶ必要があるのか、と疑問を持つ生徒が多いのですが、歴史を学ぶ意義のようなものをClassPad.netの活用を通した授業で生み出せたのではないかと思っています。

小澤祐太 先生の発表

意見を求めても積極的に発言してくれる生徒は少ないものです。しかしClassPad.netであれば意見を発信できる生徒が多く、それをクラスで共有することができる。それまで発表に対して苦手意識があったような生徒の意見を拾えて、自分の意見を拾ってもらえることの喜びから学習意欲に繋がる。このような良いサイクルにClassPad.netが役立っていると考えています。

常葉大学附属橘中学校・高等学校 小林理恵 先生

調べる習慣がついていなかった生徒も、
率先して辞書を使用するようになりました!

常葉大学附属橘中学校・高等学校
〈 静岡県 〉
小林理恵 先生

本校も最初は電子辞書を全員購入するという方針でしたが、それならばより機能の多彩なClassPad.netが良いのでは、ということで導入しました。ClassPad.netであれば、同じ内容、同じ解釈で活用ができますし、ClassPad.netをプロジェクターにつないで、授業で使ったりもしています。

ご紹介するのは、土佐日記について、オンライン辞書で語句を調べ、現代語訳を行う授業です。古典で受験をする生徒は多くないため、生徒は授業に対し消極的になりがちです。ClassPad.netを活用しながら、より興味を持って授業を受けてくれるような工夫をしています。

小林理恵 先生の発表

オンライン辞書機能に搭載されている国語便覧で、生徒たちに土佐日記を調べてもらい、基本情報を理解してもらいます。その上でさらに語句の意味を調べ、現代語訳を行ってもらいました。

小林理恵 先生の発表
小林理恵 先生の発表

今までは、生徒にあまり調べる習慣がついておらず、分からないままにしてしまうことが多かったのですが、この学習を通じて、何か分からないことがあるとClassPad.netを開いて、自分で率先して調べよう、やってみようという意識に変わったように感じます。

小林理恵 先生の発表
常葉大学附属橘中学校・高等学校 稲葉梨乃 先生

「ClassPad Math」のグラフツールは、
数値による変化が圧倒的に分かりやすい!

常葉大学附属橘中学校・高等学校
〈 静岡県 〉
稲葉梨乃 先生

ClassPad.netの数学ツール「ClassPad Math」のグラフツールを利用した、微分して接線の方程式を求める問題の演習授業をご紹介します。

方程式に対して、接線が本当に接しているのかを目で見て確認して欲しいという思いから、解いた後に数学ツール「ClassPad Math」のグラフツールを利用。接線の方程式を入力させて、求めた解答が正しいのか、自分のノートに描いたものと比較させて確認するということを行いました。

稲葉梨乃 先生の発表
稲葉梨乃 先生の発表

「ClassPad Math」では数値によりグラフがどんどん変化していく様子を見ることができるため、変化の軌跡を脳が覚えている状態で確認ができます。生徒自身も「この場合だとどうなるのだろう」と、積極的に活用してくれました。

稲葉梨乃 先生の発表

担当している高校一年生は今二次関数の単元に入りました。元の二次関数に対してx軸方向に動いた時、y軸方向に動いた時、まずは生徒にグラフを予想させ、その後実際にグラフを確認してみよう、という流れで「ClassPad Math」を使っています。
生徒たちはスマホなどデジタル機器を使いこなしている世代なので、ClassPad.netもすんなりと積極的に活用しています。数学が苦手という生徒が多いのですが、ClassPad.netはその苦手意識をなくすことにも役立っている実感があります。 グループで学習する時も、近くの生徒同士で自ら「ClassPad Math」で確認してくれる場面も多くなり、大変活躍しています。

稲葉梨乃 先生の発表

また、以前は、どの部分が生徒は間違えやすく、解きにくかったのかを把握しづらかったのですが、ClassPad.netの提出機能を使って解きにくかったと思うところをチェックしてもらうことにより、生徒の理解度の全体像がすぐにわかり、次の授業でフォローすることができるようになりました。プリントを一枚一枚確認していた頃と比べ、私の作業時間短縮にも繋がっています。

大阪産業大学附属高等学校 池田透 先生

数学が苦手でもゲーム感覚でグラフの理解が進み、
問題演習のミスが減りました!

大阪産業大学附属高等学校
〈 大阪府 〉
池田透 先生

「ClassPad Math」のグラフツールが活躍する数学の単元を二つご紹介します。

一つ目は、「2次関数の導入のグラフの可視化」です。「ClassPad Math」のグラフツールの活用で特に効果的なのが変数だと思っています。「y=ax」や「bx+c」など、abcが多く出てきてややこしくなり、生徒の反応が悪くなりがちですが、abcを実際にスライドして動かせる、可視化できることで、生徒たちの反応が良くなると実感しています。上下の向きや左右の移動も可視化によって把握しやすく、問題演習に対する生徒のミスも少なくなったと思います。

池田透 先生の発表

二つ目として二次関数と同じように、三角関数でも数学ツールが活躍しています。sin(サイン)のグラフは波のようなグラフになりますが、これも同じように、上下の移動と左右の移動、幅が伸びたり縮んだりというところは、どうしても生徒は把握しにくい。「ClassPad Math」で実際に手を動かして、「これを動かしたらこれが変わった」「これを動かしたら上下に動いた」というのが、目で見て分かるのが生徒たちにとってはよかった点だと思います。
「これ、右移動と左移動が逆ですね、二次関数と一緒ですね」という発言を生徒から聞いた時には、グラフをしっかり頭の中で理解できていると、数学ツールを使った効果を非常に感じました。

池田透 先生の発表

生徒に「グラフを描いて」と言うと「えぇー」という反応をするものですが、ClassPad.netでは、ゲームや遊びに近い感覚でグラフを描くことができます。グラフに向かう生徒の姿勢にも好影響を及ぼしてくれています。

池田透 先生の発表
大阪産業大学附属高等学校 綿谷知貴 先生

協働的な学びを入試演習に取り入れることに成功!
演習スピードが上がり成績向上にも手応え!

大阪産業大学附属高等学校
〈 大阪府 〉
綿谷知貴 先生

私自身も紙とペンで教えられてきたということもあり、生徒たちに板書をさせるいわゆるオールドスタイルで、デジタル教材を利用したり、グループワークをしたりというのが苦手でした。

高校三年生の受験期、もう私大入試が迫ってきて、国公立の二次対策がやってきた時に、果たして私自身が今まで通り紙とペンのスタイルでいくのか、それともClassPad.netを使って協働授業をするのかという二択に迫られた時、どうしても紙とペンになっていました。「この時期にグループワークして大丈夫…?先生」という生徒の声もあったからです。

そこで、推薦で進学が決まった生徒たちにClassPad.netを使って授業をしてみました。そこから、入試問題の演習で行うグループワークについて一定の手応えを感じ、徐々に積極的に使うようになりました。 入試に向けた教育活動の中で、ICT教育を行う勇気を持ちづらい先生もいらっしゃるかと思いますので、私が得た成績向上への手応えと授業方法をご紹介します。

綿谷知貴 先生の発表

三、四人のグループで行う入試問題の演習授業です。
必ずしも学力が高い生徒たちばかりではありません。学力が真ん中か少し下ぐらいの生徒たちが「分かった」と思って帰ってもらえるような授業を目指して設計しました。

●学力レベルが均等になるように考慮し教師が三〜四名のグループ分けを行う
●クラスの学力レベルに対し、少し難しいと思われる問題を用意する
●グループの中で、教師役を一人設定し、グループ内で教え合いながら問題を解く
●解けた生徒から解答をClassPad.netで提出する
●提出された全ての解答は、全員が見られるような状態にしておき、他者の解答について、グループ内で指摘し合う
●最後に教師が、一番ミスの多そうな解答を選びクラス全体に解説

このような形式の授業を繰り返し行ったことで、回を重ねるごとに、生徒たち自身がグループの中で注意し合ったり、共有し合ったりできるようになってきたように思います。
数学の入試問題においては「条件が一つ抜けるだけで、減点される」ということがありますが、グループの全員がその条件を忘れている、ということも起こります。グループ内でお互いが指摘し合えない状態です。私はこれを「理解度のむら」と読んでいますが、回を重ねるごとにこういった「むら」も少しずつ減っていきました。
学力が真ん中か少し下ぐらいの生徒たちの理解度が高まり、まとまった成績向上に繋がったという一定の手応えを持っています。

綿谷知貴 先生の発表

各グループに教師役を配置させるということは教師の目が行き届かない生徒の理解度の部分に対し、生徒がお互いに見合いながら授業をしているということですので、非常に効果的だと思っています。
これは副次的なものですが、教師役をした生徒の理解も深まりました。私たち教師も教えて初めてハッと気づく瞬間があります。それと同じで、教えることで気づきが生まれ、分かるようになり、どんどん前向きになっていく様子が見られました。

また、ClassPad.netを導入したことで、明らかに演習スピードが加速したように感じます。真ん中少し下ぐらいの生徒だと、まず何から手をつけて良いか分からない。でも、友達同士で教え合ったり、先生や友達に見てもらって指摘してもらえたりすると、演習スピードが上がって、取り扱える問題の数も1.5倍から2倍ぐらいにはなったのではないかと思います。

このように、ClassPad.netを導入した成果は多くありますが、何より生徒たちが楽しそうに勉強している姿、これを見られることが一番だと思っています。

綿谷知貴 先生の発表
常葉大学附属常葉中学校・高等学校 菅原隆平 先生

【先生への質問】
ICT活用推進における、管理職の役割とは?

常葉大学附属常葉中学校・高等学校
〈 静岡県 〉
菅原隆平 先生(高等部・教頭)

合同MTGに参加された先生たちがまさに成功事例を体現されていますね。
生徒に何か新しいものを使わせる時に、我々教師が使えないとまず絶対無理で、教師が変わらないと、生徒たちは絶対変わっていかない。本校でもその意識の基、英語や国語、社会、美術など幅広い教科で、それぞれの先生が見事にClassPad.netを授業で活用しています。

私は教頭という、管理職の立場で参加させていただいています。そこで、「ICT活用を進めていくにあたり、管理職に求めることは何か。また、管理職はどう関わったら良いか」について、ぜひ皆様のご意見をお伺いさせてください。

菅原隆平 先生の発表
遊学館高等学校 小坂英洋 先生

遊学館高等学校 小坂英洋 先生

ICTの導入や推進にあたっては管理職を巻き込むことが大切で、管理職に良いなと思ってもらえたら、導入の流れができていくと思います。管理職が「それ良いね、使ってみたい」というような資料を現場からプレゼンしました。

京都女子中学校・高等学校 東郷秀朋 先生

京都女子中学校・高等学校 東郷秀朋 先生

教師の研修を充実させることだと思います。例えば本校では授業を40分にして放課後の先生の時間を捻出させ、研修時間に充てています。そういった取り組みを管理職が推進していただけたら良いと思います。私個人の取り組みとしては、ICT関連の質問があった時には、自分の仕事の優先度を下げてでも対応するようにしています。現場の先生の信頼を得ることが重要ではないでしょうか。

大阪産業大学附属高等学校 市川典孝 先生

大阪産業大学附属高等学校 市川典孝 先生

本校では教師数も多く、なかなか一律に普及させることができないのが実状です。ただ、管理職にICT活用に関する要望を伝えることは意識していて、管理職もNOとは言いません。何か使いたい時には体験版を使ってみて、まずは校内で発言力のある先生にその良さを発言してもらう。そこから広めてもらうというようなことをやっています。
管理職が広めたいと思う機能を持つアプリ等に関しては、管理職がかなり強い強制力を持って先生方にトップダウンの指示出しをしてくれています。

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