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意見の相互共有を通じて、
考える力を育む授業デザインが可能に!
〜平氏政権の概要を踏まえ源頼朝の政治判断を考察する授業〜
常葉大学附属橘高等学校
〈静岡県〉
小澤 祐太 先生
教科:日本史探究、地理総合、地理探求 指導学年:二年生
※2022年11月取材時点
校訓
より高きを目指して ~Learning for Life~
サブタイトルに含まれる「ライフ」は、人生や生活の他に「幸せ」という意味ももたせています。
勉強を含め多岐にわたる学びを続けることは、生徒にとって幸せに繋がっていく。そのために、より高きを目指して学び続けてほしい、という想いを込めた校訓です。
学校の教育目的
「学力を伸ばす」「人間性を高める」
日々、職員が同じベクトルを持ちながら「伸ばす教育」を実践すべく教育活動を行っています。
ICT教育の課題・テーマ
ICTツールを活用し、生徒自らが答えを見つけ出していく
グローバル化が急速に進む先の見えづらい社会、そして世の中の価値観も非常に不透明な中、生徒たちが自らICTツールを使いながら「何が正解なのか」自分で答えを見つけ出していくことを意識的に、そして継続的に行っていくことが必要だと考えています。ICTツールが宝の持ち腐れにならないよう、どのような場面・ポイントで使っていくかを我々教員がしっかり把握しながら教育活動を行うよう心がけています。
端末整備状況
令和3年度の新入生から段階的にBYOD形式でiPadの導入を進めており、令和5年4月には、中学1年生から高校3年生まで全学年がiPadを持つ状態になります。
ClassPad.net導入に至った経緯と理由
一番は辞書機能の充実、そして教員がフル活用できる多彩な機能がオールインワンであること
本校は学校改革部・教育開発部を中心にICT教育の推進を行っており、様々なICT教育システム・ツールを検討するなかで、ClassPad.netの良さを知りました。現場の担当教員の意見も取り入れながら導入検討を進める中で、特に辞書機能が充実している点が注目を集めました。また、本校では全教員がフル活用できることを目指しており、意見集約や課題の配信、提出作業などを総合的に効率良く行えることを評価し、ClassPad.netの導入を決定しました。
本授業は、全体で3〜4時間の構成になっています。1時間目では平氏政権の概要を押さえることから始めました。続く2時間目では、資料を読み取りながら「なぜ平氏政権が短命に終わったのか」を考察しました。
そのうえで後半の授業では、「もし自分が源頼朝なら、どのような政治を行うか」を考えさせました。ここでは調べるのではなく、あくまでこれまでの授業や資料から得た理解を基に、生徒自身の頭で考えることを狙いにしています。正解・不正解は気にせず、思考の幅を広げることを大切にしました。ClassPad.netを活用することで、生徒が考えた内容を共有し、他の人の意見を見ながら自分の考えを深める流れも取り入れられました。こうした相互共有を通じて、考える力を育む授業になっています。
授業の流れとClassPad.netの活用方法
「なぜ平氏政権は短命に終わったのか」などについて、資料を読み解きながら、平氏政権の特徴や概要を教師が解説する。
生徒はSTEP1で学んだことを踏まえて、「もし自分が源頼朝なら、味方をしてくれた東国の武士に対して、どのような政策をとるか」について考え、ClassPad.netのふせん機能で提出する。
提出されたクラスメイトのふせんを全員が見られるようにしておき、自分と異なる視点の考えを発見することを生徒に促す。
興味深い考え方をした生徒のふせんを教師がクラス全員に紹介し、解説する。
生徒は4人程度のグループになり、「源頼朝は東国の武士と距離をおくべきか・関係を強めていくべきか」について議論する。
源頼朝の判断や鎌倉幕府の成り立ちを踏まえて、過去の歴史を現代人が学ぶ意味について、歴史学者の谷口雄太氏の本を朗読した後に、生徒が自身の考えをまとめる。
ネット検索やAI活用の弊害・上手な付き合い方とは
ここ1〜2年で、生徒がレポート作成にAIを使うことはすっかり当たり前になりました。その結果、自分の頭で考える機会が減りつつあるのではないかと感じています。
一方で、AI を上手に活用すれば、レポートの完成度は確実に上がります。生徒に求められるアウトプットの質も以前より高くなっており、私自身もその変化を強く実感しています。実際、私が出すレポート課題も、2〜3年前とは前提が大きく変わりました。
“AIを使ってくることを見越した難易度” にせざるを得ず、教員側にも工夫が求められる状況です。
例えば「鎌倉時代についてレポートを書きなさい」というような課題では、AIが情報を集めて非常に整った文章を瞬時につくってしまいます。従来型の課題では、AIに任せれば満点の答案ができてしまうわけです。しかし、それでは学びが“書き写し”で終わってしまいます。
そのため、
●AIが作った情報をどう自分の中に取り込み、理解として消化できるか
●調べた内容をどう表現し、どう伝えるのか
●分かりやすくアピールする力をどう身に付けるか
こうしたアウトプットの質そのものが、これからはより問われていくと感じています。
ClassPad.netが「進化した」と感じるポイントとは
高速化と文字読み取り機能で、提出作業も授業運営もスムーズになりました。
動作が安定・高速化したことで、授業で毎時間行う写真提出→提出箱に送るという流れがスムーズになりました。授業のテンポを落とさずに運用できています。
また、写真やスクリーンショットの文字をそのまま読み取れるようになり、GIS (地理情報システム)の課題など画像ベースの提出物の処理が格段に楽になりました。授業の幅が広がり、確認作業の負担も大きく軽減されました。
お気に入りの機能・使い方
生徒への個別指示に役立つふせん機能と授業の効率化に繋がる提出箱です。
特によく使っているのは、ふせん機能と提出箱です。
ふせん機能が使えるようになったことで、個別の課題を生徒ごとに渡しやすくなりました。紙で配布しようとすると、どうしても手間がかかったり、全員に同じものを渡す形になりがちですが、ClassPad.netなら必要な生徒だけを選んで「君はこれ」「あなたはこの課題」というようにふせんで渡せます。
例えばジグソー法のように役割や課題を分けて進める活動でも、ふせんを使うことで指示がスムーズに伝わり、活動が円滑に進むと感じています。この点はとても便利ですね。
ClassPad.netを使用した今後取り組みたい授業
今後は、長期的なレポート課題に取り組ませてみたいと考えています。AIの活用も認めつつ、生徒自身が調べ、整理し、まとめていく「自由研究」に近いような、ある種の論文作成に挑戦させたいと思っています。
もちろん、時間や労力などの課題はありますが、ClassPad.netを使うことで、生徒の調査手法も含めたより自由度の高い探究活動が可能になるはずです。生徒と教員が一緒に学びを深めていく、そんな指導に挑戦してみたいですね。
生徒に聞いた、ClassPad.netの「良いところ」
例えば英語の課題で、分からない単語が出てきたとき、以前ならそのままにしてしまうこともありましたが、今はオンライン辞書機能を使って調べたり、友達と「これってどういう意味だっけ?」と話し合うようになりました。
また、自分のペースで宿題を提出できるところも便利です。提出日に紙の課題を家に忘れてしまうことがなくなり、終わった瞬間に提出箱へ送れるので、提出忘れの不安もなくなりました。
ClassPad.netを使うようになって一番感じているのは、課題提出のしやすさです。課題を紙で提出すると、先生が回収して職員室に運ぶ必要があり、私たちも返却されるまで手元で勉強できないことがありました。でも今は、課題を写真で撮って提出箱に送るだけなので、提出作業も軽くなり、学習のペースを止めずに取り組めるようになりました。
さらに便利だと思うのが、デジタルノートやふせん機能です。グループワークでは、自分の意見を共有しやすく、周りの意見も一覧で見られるため、話し合いがスムーズに進みます。紙を使わずに意見を整理できるのは、今の“ペーパーレスの学び”にも合っていると感じます。また、デジタルノートでは、画像や動画を貼ったり、手書きやテキストで考えをまとめたりできるので、課題に向き合う際の表現の幅が広がりました。