関数のグラフ変化を視覚的に理解する数学の授業
数学ツールを活用し、数値代入で変わるグラフの変形を体感
遊学館高等学校
〈石川県〉
磯部 早紀 先生
教科:数学 指導学年:二・三年生
校訓
遊学の精神の涵養
遊学の精神とは「何ものにもとらわれず、自由に広く世の中を見聞し、人格を高め磨いていくこと」を意味しています。
教育目標
「文武に励み、自らの品格を高めるとともに他者の人格を重んずる心を養い、遊学の精神を持って未来を切り拓く人間の育成をめざす。」ことです。
ICT教育の課題・テーマ
本校では昨年度、一年生からChromebookを持たせました。今年の新入生からはiPadを持たせています。
ただ、先生方もまだ活用しきれていない点が多く、授業では調べ学習はできても、それ以外の活用にはまだまだ研究が必要だと感じています。Wi-Fi環境が十分に備わっていないところもあり、環境としても不十分な点があります。プロジェクターを設置した当初は、全ての先生が活用する状況ではありませんでしたが、それでも現在ではほとんどの先生がプロジェクターを使うようになり、板書をすることなく授業を進めています。
これはかなりのスピード感を持って進みましたので、今後は若い先生を中心に活用されていくことを期待しています。
端末整備状況
昨年度のChromebookは、学校の貸与という形で生徒に渡しています。三年間生徒が使用した後、学校に返却するという形をとっていますが、今年入学した一年生に対するiPadについてはご家庭の負担としていただき、卒業後は自分のものになります。
ClassPad.net導入に至った経緯と理由
“EX-word”からの厳選されたコンテンツと
デジタルノート機能活用の可能性
カシオの電子辞書を購入していたことが、きっかけになっています。
ClassPad.netには、カシオの電子辞書“EX-word”から厳選されたコンテンツが入っているということで、そのまま継続して使用させてもらっています。また、デジタルノート等の機能もあるということで、今後の課題等のやり取りの活用を見込んで導入しています。
授業の流れとClassPad.netの活用方法
数学ツール「ClassPad Math」で事前に用意したグラフをプロジェクターで画面投影し、関数とF(x)について板書も利用して説明する。
生徒に直線のグラフを配布。a,bを変化させることで、グラフが動くことを数学ツール「ClassPad Math」で実演。その後生徒が、自分の画面でもグラフ動かしてみながら、任意の直線を入力し提出する。
STEP2と同様の流れで、今後は放物線、円のグラフ、そして一つ関数を入力することで、面白い形になるグラフなども紹介し演習する。
生徒は入力した関数の概形を、配布されたプリントに記入し、写真を撮ってClassPad.netで提出する。
デジタル社会におけるネット検索の弊害や上手な付き合い方とは
ネットで得る情報と噂話はおそらく同じで、結局は正しい情報かどうかを自身で判断するということに尽きると思います。たくさんの情報を信じてしまうのが高校生の特徴で、様々な情報を検索する方法も教えた方が良いのではないかと考えています。
例えば、生徒はSNSで上がっていることをそのまま信じてしまいがちですが、しっかり調べれば、どれが真実の情報でどれが嘘の情報かを見極められる。見極め方をしっかりと教えていくべきだと考えています。
他教科でのClassPad.netの活用状況
利用機会が多いのは保健と英語の辞書活用です。元々カシオの電子辞書 “EX-word”を活用していたこともあり、調べ学習が大きなウエイトを占めていると思います。また、国語では課題の回収に多く活用しているようです。
宿題や自宅学習でのClassPad.netの活用機会
情報科では、自宅で行う課題を出し、ClassPad.netで提出してもらうようにしています。課題提出ができる機能が備わっていることは、本当に素晴らしいと思います。
導入前と導入後の【授業での変化】
まだまだプリントの方が良いという生徒も一定数いるので、現時点ではプリントを併用していますが、数学ツール「ClassPad Math」は、グラフや図形を視覚的に捉えることができ非常に重宝しています。例えば「ここの交点を求める」という、視覚的に捉える図形の把握は、生徒にとって分かりやすいと思っています。
導入前と導入後の【生徒の変化】
図形をうまく捉えることができない生徒に数学ツール「ClassPad Math」は非常に有効です。
数学に関しては、視覚的に捉える分野で「ClassPad Math」は導入しやすいと思います。図形をうまく捉えることができない生徒には、非常に有効です。今は3Dの回転体に少し難しさがありますが、それがもし捉えられるようになったらさらに活用しやすいと思います。
お気に入りの機能・使い方
数学ツール「ClassPad Math」でグラフを視覚的に捉えられることです。
sin(サイン)、cos(コサイン)にしても、「三角比、つまり比率なんだ」ということが視覚的に対比をしやすい。数学においてはこれが一番のメリットです。
また、ClassPad.netで課題を提出することで、教師も生徒も提出状況がはっきりしますし、紙ベースの課題だとしても写真を撮ってパッと提出できますので良いことだと感じています。
ClassPad.netを使用した今後取り組みたい授業
デジタルノート機能で、YouTubeのリンクを貼り付けて観ることができる機能が気に入っています。生徒はYouTubeで調べて問題を解いてくることがありますが、分かりやすいYouTubeの動画も多いので、うまく活用できればと思っています。
授業では、いくつかの解法があることをYouTubeで観せてあげることで、生徒が自分の好きな解き方を選ぶことができますし、授業後には、その様々な解き方のリンクを貼ってまとめておけるのは便利です。
一人の教師から教わる解法だと、その解法しかないという認識になりがちですが、解法をいくつか提示してあげるというのは良いことだと思います。
生徒に聞いた、ClassPad.netの「良いところ」
ClassPad.netなら、オンライン辞書機能ですぐに調べることができるので、勉強がはかどり家庭学習も以前よりやりやすくなりました。テスト前などの勉強で、細かいところまで知りたい時にすぐ調べることができて、分かりやすい解説が出てくるので、テストの点数が上がりました。
ClassPad.netは語句調べや単語調べに便利なので、特に英語と国語に活用しやすいです。自分で紙の辞書を引くより早く、分からないところがすぐ分かります。意味や用例なども出てきて知識も深まり、とても簡単に操作できるところがお気に入りです。