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【ICT教育とは?】ICT教育の意味やメリットを先生・教育関係者の現場視点で紹介 | ClassPad.net

  ICT教育・GIGAスクール構想関連コラム

【ICT教育とは?】
ICT教育の意味やメリットを先生・教育関係者の現場視点で紹介

文部科学省が提唱するGIGAスクール構想に対する本格的な対応に向けた動きと合わせて、コロナ禍での学習の効率化や教育現場の負担軽減の必要性が増しているなか、ICT教育が再び注目されています。
2021年は教育分野でのICT活用の流れが加速し「ICT元年」とも言われましたが、教育の現場で日々奮闘する先生、そして校内でICT教育・GIGAスクール構想への対応を推進する担当者の方々の中には、ICT教育とは何か、授業にどのように取り入れたら良いのかよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、ICT教育とは何か、そして注目されている背景やメリットについて解説します。

ICTとは

ICTは「Information and Communication Technology」の略称で、「情報通信技術」と訳されます。IT(Information Technology=「情報技術」)がデジタル機器や、デジタル化された情報や技術を指すのに対し、ICTは「Communication」という言葉が入っている通り、単なる情報処理に留まらず、ネットワークを活用した人と人との繋がり、コミュニケーションに活用する視点が含まれた概念です。
今や私たちの生活は、ICTなしには成り立ちません。スマートフォンでの電車や飛行機の予約、ビジネスの場でのテレビ会議や、医療現場におけるオンライン診療、SNSでのコミュニケーションなど、日々の生活に浸透しています。

ICT教育とは

では、教育現場におけるICTの活用とは、どのようなものでしょうか。
「ICT教育」とは、今までアナログで行っていた教育のデジタル化のことです。具体的には電子黒板、パソコンやタブレットなどのデジタル器機の導入、インターネットを介した学習支援ツールの活用などを行う教育の総称です。

ICT教育とは

2022年1月の大学入学共通テストは、「数学I・A」の平均点が37.96点と、前身の大学入試センター試験も含めて過去最低点となりました。受験生を悩ませた問題のひとつがグラフ問題で、2つの放物線の移動です。実は、こういった視覚に訴える問題はICT教育の得意とする分野です。実際にパソコン上でグラフを動かしながら理解度を高める経験をした受験生と、そうでない受験生との間に差が付いたようです。

ICT教育の目的

大学入学共通テストでの例は、ICT教育のわかりやすい学習効果ですが、ここで「ICT教育」により育もうとしている能力について、整理してみましょう。
文部科学省が公示している「情報活用能力の育成」の資料内では、学習指導要領における情報活用能力について次のように説明しています。
「学習活動において必要に応じてコンピュータ等の情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報をわかりやすく発信・伝達したり、必要に応じて保存・共有したりといったことができる力であり、さらに、このような学習活動を遂行する上で必要となる情報手段の基本的な操作の習得や、プログラミング的思考、情報モラル、情報セキュリティ、統計等に関する資質・能力等も含むものである」

今までアナログで行っていた教育のデジタル化を通して、
●問題解決・探求のために情報と情報技術を上手に活用するための知識と技能を身につける
●情報モラル・情報セキュリティについての理解を深める
ことを目指しているのです。

参照:学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力の育成

ICT教育の推移状況

2021年から新型コロナウイルスの感染が拡大し、この2年間、私たちの生活はウイルスに翻弄されました。2020年4月に緊急事態宣言が出され、全国の学校が休校になりました。その時急激に広まったのがICTを駆使したオンライン授業です。「学びを止めるな」を合い言葉に、各校の先生が知恵を絞り、画面上の授業といえども生徒をあきさせないように工夫を凝らしました。
そのようななか、教育現場におけるICT活用がどのように進んだのか、その状況を見てみましょう。

2021年3月1日時点における、全国の公立学校(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)のICT環境の整備状況を見ると、新型コロナウイルスの感染拡大の初期段階である2020年3月時点と比べ、急速に進んだことがわかります。
教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数は、4.9から1.4へ、普通教室の無線LAN整備率は48.9%から78.9%へと急上昇しています。

 ①教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数グラフ ②普通教室の無線LAN整備率

否応なしにコロナ禍で急速に進んだオンライン授業ですが、実は使い勝手が良いことがわかりました。たとえば大学の大講堂で行うような講義は、対面よりもオンラインの方が聞き取りやすく、中学高校でも板書がよく見える、図や資料を共有しやすい、さらに大勢の前で意見を言えないような生徒も、オンライン上ならチャットで気軽に質問したり、意見を述べたりすることが出来るなどの効果も生まれました。コロナ禍が収束しても、オンライン授業やICT教育は進化しながら使い続けられることでしょう。

ICT教育の推移状況

ICT教育のメリット

では、急速に環境整備が進むICT教育の具体的なメリットをご紹介します。

●効率的に授業を行うことができる

従来の授業スタイルは、教員が板書し、それを生徒がノートに書き写すというのが一般的でした。しかしタブレットやパソコンを使えば、要点を一斉に生徒に送ることができます。ノートに書き写していた時間を、生徒が自分なりにまとめる時間に使うことができるようになります。

●教科の内容がわかりやすくなり、授業の幅が広がる

視覚を生かす事ができるのもICTの強みです。先に記したように、放物線の移動などは、説明よりも目でみることの方が覚えやすく、特に効力を発揮するのが、算数(数学)の図形や理科ではないでしょうか。立体の図形は、なかなか頭のなかで想像しにくいものですが、ICTならば図形を画面上でくるくると回転させ、いろいろな側面から確認できます。理科も同様に、実験を実際に行うのは難しい単元も動画で再現できます。なかには、自分たちの実験の様子を動画に撮り、レポートの参照にしたり、後から動画を見て実験のやり方が適切だったかどうか、検証したりする学校もあります。

ICT教育のメリット グラフの図

●生徒と教員の双方向、またはクラス全員参加型の授業ができる

ICTが得意とするのは、時間差のない相互のやりとりです。たとえば従来だと、先生の質問に手を挙げた生徒のうち、何人かの生徒を当てて意見や答えを聴き、それについて検証を行うというスタイルでした。ICTを使えば、生徒全員の答えを先生のパソコンに集約できるので、同じような意見や答えをまとめたり、着眼点の面白い答えをピックアップしたりして、クラス全員で共有することもできます。

●生徒全員に目配りが効く

30人〜40人のクラス全員に目を配るのは容易なことではありません。授業時間内では、発言する生徒の数も限られてしまいます。ICTを使えば、教員の手元の端末に全員の意見を集約することができ、内気な生徒の発言を取りこぼすこともなくなります。また、大勢の前で発言できない生徒も、チャットなどでは質問したり、意見を述べたりできるという例もあがっています。

●個々の生徒に応じた学習が可能に

ICTで可能になったのが、個々の能力に合わせた学びです。たとえば算数(数学)は、生徒間に能力差が生じやすい科目ですが、一律の授業だとどうしても予定の進度に添って進めなければなりません。ある単元でつまずいた生徒がそのままついていけなくなったり、逆に学習の進んでいる生徒が、授業を物足りなく感じたりしていることがよくあります。

しかしICTを使えば、その生徒に最適な課題を与えることができます。クラスメートの前で、答えがわからなかったり、まちがったりすることを恥ずかしいと感じる生徒も、1人で学習するのなら低学年の問題をさかのぼってやることに抵抗はありません。生徒にとって「わかった」という手応えが、次へ進む意欲に繋がります。

個々の生徒に応じた学習が可能に

●生徒・学生の学習のモチベーションがあがる

子どもは好奇心の塊です。デジタルネイティブ世代と言われる子どもたちは、操作性に長けており、自分の興味関心のあることだったら、とことん追究します。悪質なWebサイトや情報の不確かなページもあるので情報の取捨選択は、教員の指導が必要になりますが、インターネットは、好奇心を満たす宝庫と言えるでしょう。
また、2022年から高校で実施される学習指導要領の改定では「探究」がキーワードとなっています。今までの「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」となって、必履修科目となりました。探究とは、「自ら学び自ら考える力」と定義つけられていますが、実はこの探究学習とICTは非常に相性がいいのです。探究活動は、大きく言えばテーマを決めて調べてまとめ、発信する活動です。いずれの工程でもICTの機能が発揮されます。グループで探究活動を行う学校も多いですが、グループ活動でもICTが効力を発揮します。

●学校と家庭学習を結ぶ

学校の授業に興味を持っても、終わってしまえばそこで途切れてしまいます。しかし、ICT環境があれば、自宅で調べたり、考えたりすることが可能になります。つまり学校と家庭がICTで繋がることで、シームレスな学習ができるようになります。

学校と家庭学習を結ぶ

●教員の事務効率の軽減化

ICTを活用する効果のもうひとつの側面が、先生の作業の軽減です。以前は、先生や学校側と保護者との連絡は、プリントなどでの、生徒・児童を介してのものでした。ICTを導入している学校では、学校と家庭とのやりとりのデジタル化を進めています。今はほとんどの人がスマートフォンを使っていますから、お知らせを保護者のスマートフォンに配信しています。これにより印刷、配布の手間が省け、保護者が目を通したかどうかもチェックできます。今後は出欠確認や、健康チェック、アンケート調査などへと広がっていくでしょう。

●教員間での情報共有

日常的にもそうですが、何か問題が起こったときには教員間で情報を共有していることが大切です。しかし日々業務に追われて、なかなか集まる時間をとれないのが実情です。Web上でファイルを共有すれば、手軽に情報交換ができます。

ICT教育で様変わりする授業風景

時代の変遷と共に教育も大きく変わっています。ICT教育は、従来の教育を変える起爆剤となっています。すでに学校の現場では変化が見られます。先生が黒板に板書し、生徒がそれをノートに書き写す光景から、先進的な学校では全教室に電子黒板が導入され、生徒は一人一台ノートパソコンやタブレットを使って授業を行っています。
小学校では、かんたんなプログラミングソフトを使い、ゲーム感覚で基本操作を習得させたり、2020年に必修化された英語教科で使用したりする学校が多いようです。最近では、ノートパソコンや、タブレット単体でなくキーボードがセットになっている端末機を使う学校が増えてきました。大学などの教育機関では、レポートを仕上げるために、キーボード操作は必須。指で感覚的に動かせるタブレットだけを使用していると、キーボード操作に差が付いてしまいます。これから導入するのならば、キーボード付きの端末が良いでしょう。

中学校では各教科に本格的に導入されています。英語はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能習得として使用。さらに発信型の授業が増え、アウトプットの手段としてパワーポイントを使い、プレゼンテーションを行う学校も増えています。

2022年度からは、新しい学習指導要領で科目が刷新され、高校に「情報Ⅰ」の教科が必修化されます。情報の活用や情報を扱うモラルなどを学びますが、注目はプログラミング学習です。2025年度からは大学共通テストに「情報」が加わります。国立大学の一次試験は、従来の6教科7科目から原則として6教科8科目になります。いよいよ本格的にICT教育が始まったと言えるでしょう。

教育分野にICTが導入されてからまだ日が浅く、ICTはまだまだ可能生を秘めています。しかし、一方で弊害もみつかっています。次回は、ICT教育の課題について考えたいと思います。

教師、自治体、学校関係者の皆さまへ

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■著者・監修者
柿崎 明子
教育ライター。長期にわたり教育現場を取材。朝日新聞出版の週刊誌「AERA」、朝日新聞の教育サイト「EDUA」、東洋経済新報社の「週刊東洋経済」などに教育記事を多数執筆。

著者・監修者 柿崎明子

全国の中学校・高等学校で導入されている
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グラフや図形を簡単に描画でき、動かせるので、板書時間の削減、視覚的な説明・理解に役立ちます。

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