※本事例では旧:数学版ClassPad.netをご利用いただいております。
高校6教科対応のClassPad.netとは一部仕様が異なる場合がございます。予めご了承ください。
慶應義塾大学
『ClassPad.net活用の授業指導案作成』
~大学教職課程数学科教育法科目における実践~
学校名:慶應義塾大学
都道府県:神奈川県
先生氏名:成田 宏昭先生
指導対象:理工学部
教科:大学教職課程 数学科教育法
■授業内容
下記を満たす、指導案/ワークシート/ClassPad.netのペーパーを作成して、10⽇後までに提出する。
・テーマ「ClassPad.netを活⽤した授業事例」
・単元(対象学年)
・A4 1〜2枚指導案 +ワークシート
・活⽤法 導⼊・展開・まとめ
・指導法
・ClassPad.netの使⽤⽅法
・講義、演習、Groupwork 等
・授業内容
・考察 /感想 /参考⽂献
■課題設定背景
現在、社会は、パラダイム・シフト(常識や思想、社会の価値観等が劇的に変化する)により社会システム⼤変化の時代へ突⼊している。教育現場も、その環境変化に伴い、⼩学校から⼤学まで⼤きな変化の中にある。キーワードだけあげても、インターネット・地政学変化(時間距離感が近くなったり、遠くなったり)・破壊的テクノロジー・AI・オンライン授業等、⽇々のルーティンワーク外の多くの変化が現れている。数学科においても、数学教育体系の学びによる論理的思考⼒の醸成にとどまらず、数学的活動による問題解決、⾃分の解法・考えを伝える⼒・説明⼒をつけることを通して⼈間⼒を向上させることが問われている。これまで、講義形式を中⼼に授業を受けてきた学⽣の視野を広げ、教育の変化を前向きにとらえ、教育実践を前向きに進める⼈材の育成をめざしている。
こうした中、数学の授業活⽤ができるソフトウエアをこれまでも紹介してきたが、ClassPad.netは活⽤が容易で、利⽤できる分野が幅広いことに惹かれ、活⽤することとした。
■学生作成教材(ClassPad.net)
【学⽣A】
単元:数学Ⅰ 「2次関数~2次関数の最大・最小~」
対象:高校一年生
作成物:
<指導案>
<ワークシート>
ClassPad.net教材: ⼀問⽬ / ⼆問⽬
【学⽣B】
単元:数学 II 「図形と方程式~軌跡と領域~」
対象:高校二年生
作成物:
<指導案>
<ワークシート>
ClassPad.net教材: ⼀問⽬
【学⽣C】
単元:数学 Ⅲ 「式と曲線~媒介変数と極座標~」
作成物:
<指導案>
<ワークシート>
ClassPad.net教材: ⼀問⽬ / 二問目 / 三問目
■発表後のアンケート結果
活用の可能性については、概ね高評価であった。実際に指導案の作成・発表を通して、手応えを感じることができたようである。教材を研究し、指導案を作成して ClassPad.net の特性を考えてワークシートを作る。発表して、他の学生、教官の講評をフィードバックしていくことで、授業作りのいろはを学び、経験値とする。という、この課題の目的は達したと考える。
■発表後の考察
・ 自分も含め多くの人が、パラメータを用いた問題で ClassPad.net を利用していたが、 パラメータを用いる問題はどれも比較的難易度の高いもので、講義というよりは 演習に向いているのかなと感じた。しかし、 ClassPad.net にはできることがたくさんあり、 誰しもが色々試してみたいと感じると思うので、数学を苦手に感じている人に、 数学が楽しい・面白い・美しいなどと感じてもらうきっかけになるのではないかと思った。
・ 実際の授業を想定して ClassPad.net を製作することの難しさを実感した。文章と図を両方分量よく使うと理解はしやすくなるのかなと思った。
・ ClassPad.netは視覚的な理解が良さでもあり、それが悪さにもつながるなと思いました。やっぱりグラフなど頭で理解しづらい分野とか動くものの方が使用しやすいと感じました。共通テストとか思考力を問う問題は生徒からしたら取り組みにくいものの、ClassPad.netからしたら取り組みやすい分野だと思います。私がCasioさん側だったら思考力を育てる!とか共通テストの解説のページをつくって売り込みたいと思いました。
・ 全体的に解析系の授業、特に2次関数の問題を扱っている方が多かったですね。率直に言って、私は当初、あまりClassPad.netに対してそこまで期待をしていなかったのですが、今日の授業を経て、自分が教壇に立ったときも扱いたいという思いがとても強くなった。
■成田先生より
今回は、 ClassPad.net 活用を前提として授業指導案・授業用のワークシート・ ClassPad.net のペーパーを作成・発表してもらった。こちらが考えていた以上に、 ClassPad.net の特性を理解して単元を選び、取り組んだ。学生同士の発表を共有することで、他の学生の考え・指導案の内容・教材理解の深さ、また、生徒の立場と教師の立場の違い等、多くの学びを得る機会となった。
来年度も、実施について検討したい。
<取材協力>慶應義塾大学:https://www.keio.ac.jp/ja/