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  ICT教育・GIGAスクール構想関連コラム

マイクロラーニングとは隙間時間を活用する新しい学習法
高校教育で活用するメリットと「現場の声」を紹介

マイクロラーニングとは隙間時間を活用する新しい学習法|高校教育で活用するメリットと「現場の声」を紹介

日々の授業の中で「生徒の習熟度がバラバラで授業が進まない」「探究学習の時間を確保したいが、基礎固めに追われている」といった、ジレンマを抱えている先生が多いのではないでしょうか。GIGAスクール構想で1人1台端末が整備された今、このような課題を解決する一手として注目されているのが「マイクロラーニング」です。

1回数分で完結するこの学習法は、生徒の「隙間時間」を有効活用し、基礎定着を劇的に効率化する可能性を秘めています。この記事では、マイクロラーニングの基礎知識から高校教育における具体的な導入メリット、そして「基礎」と「探究」を両立させるための実践的なICT活用術を、現場の視点から分かりやすく解説します。

マイクロラーニングとは?
学校教育でも注目される背景を解説

教育現場で「マイクロラーニング」という言葉を耳にする機会が増えてきました。ここでは、マイクロラーニングの定義と「なぜ今、高校をはじめとする教育機関で注目されているのか」について背景を解説します。

① マイクロラーニングとは

マイクロラーニングとは、1つの学習コンテンツが1〜5分程度、長くても10分以内に完結する極めて短い単位の学習手法を指します。従来の学習スタイルと異なり、短い時間で「学ぶ」と「確認する」を繰り返す点が特徴です。

この学習法は、スマートフォンやタブレット端末での利用を前提に設計されることが多く、場所を選ばずに学習できるのが大きな魅力です。コンテンツの形式は、以下のように多岐にわたります。

マイクロラーニングとは

・重要ポイントを解説した短尺の動画
・知識の定着を確認する一問一答形式のクイズ
・英単語などを暗記するためのデジタル単語カード(フラッシュカード)
・要点をまとめた図解スライド など

これらを組み合わせることで、生徒は飽きずに学習を続けやすくなります。

② 学校教育でも注目される背景

マイクロラーニングが、高校教育で注目されるようになった背景は大きく2つあります。1つ目は、GIGAスクール構想の推進です。多くの高校で生徒1人1台の端末環境が整備されつつあり、生徒がいつでも手元で学習できるハードウェア基盤が整ってきたことで、個々のペースで学べるマイクロラーニングを導入しやすい環境が生まれました。

学校教育でも注目される背景

2つ目は、新学習指導要領への対応です。新しい学習指導要領では「探究学習」や「対話的な学び」が重視されています。しかし限られた授業時間の中で、これらと従来の知識伝達を両立させることに困難さを抱えている先生も多いのではないでしょうか。そこで、基礎知識の定着をマイクロラーニングで効率化し、その分捻出した授業時間を探究や対話に充てたいという戦略的なニーズが高まっていると考えられます。

高校教育にマイクロラーニングを導入する3つのメリット

マイクロラーニングを高校の教育現場に取り入れることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは生徒と教員、双方にとっての具体的なメリットを紹介します。

① 生徒の学習意欲と知識の定着率向上が期待できる

生徒の学習意欲を高め、知識の定着を促進できる点がマイクロラーニングの大きなメリットです。長時間の授業動画や大量のプリント学習は、生徒にとって大きな負担となり、途中で集中力が切れてしまうことも少なくありません。

一方、マイクロラーニングのような短時間で集中するスタイルは、生徒の認知的な負荷を低減させ、学習に取り組みやすくします。また「5分だけならやってみよう」というように、学習を開始する心理的なハードルが低いとされています。

生徒の学習意欲と知識の定着率向上が期待できる

ちょっとした時間に手軽に取り組めるため、学習を習慣化しやすくなることも期待できます。さらに、短いサイクルで何度も繰り返し学ぶ「反復学習」が容易なため、記憶の定着にも大きく貢献する可能性があります。

② 通学中や休み時間など「隙間時間」を有効活用できる

「隙間時間」を有効な学習時間に変えられる点も見逃せません。高校生は毎日の授業に加え、部活動や委員会、習い事などで非常に多忙です。そのため、放課後や休日にまとまった学習時間を確保するのが難しい生徒も多くいます。

マイクロラーニングは、スマートフォンなどのデバイスさえあれば、場所や時間に縛られずに学習が可能です。以下のような、学習に使うことが難しい細切れの時間を活用できます。

通学中や休み時間など「隙間時間」を有効活用できる

・ 通学中の電車やバスの中
・ 授業の合間の短い休み時間
・ 就寝前の数分間 など

これらの隙間時間を積み重ねることで、学習時間を無理なく増やすことができます。

③ 教材コンテンツの作成・修正が容易になる

教員側の教材作成や、修正の負担が軽くなるというメリットもあります。マイクロラーニングの教材は、一つひとつが短くコンパクトです。そのため、45分や50分の授業動画を丸ごと作成するのに比べ、時間や労力を抑えやすくなります。

また、内容の修正や更新もしやすくなります。例えば、新しい時事情報が出てきた際や、生徒の理解度に応じた修正を行いたい際などに、その部分だけの短いコンテンツを作成・修正して差し替えるだけで済みます。一度作成した教材は翌年以降も再利用できるため、長期的に見れば教材準備のコスト削減にもつながります。

教材コンテンツの作成・修正が容易になる

マイクロラーニング導入において解決すべき3つの課題

学習効率を高めることが期待されるマイクロラーニングですが、導入にあたってはいくつか注意すべき点もあります。ここでは、事前に知っておくべき課題とその対策について解説します。

① 深い思考や複雑な知識の習得

マイクロラーニングは「短時間・断片的」であるという特性上、相性がよくない学習もあります。それは、体系的な理解や知識と知識のつながり、深い考察を必要とする学習です。例えば、数学の複雑な証明問題の論理展開を理解したり、現代文の長文を読み解いたり、歴史的事件の因果関係を深く考察したりといった学習には、マイクロラーニングだけでは補いきれない場合があります。

そのため、マイクロラーニングを「万能なツール」と考えないことが重要です。あくまで「基礎知識のインプット」や「定着確認」に特化した手法として位置づけ、深い学びが必要な部分は対面授業やグループワークで補うなど、使い分けを意識する必要があります。

深い思考や複雑な知識の習得

② 生徒の主体性による学習進捗の差

マイクロラーニングの魅力は、いつでもどこでも自分のペースで学べる「自由度の高さ」にあります。しかし、これは裏を返せば学習に取り組むペースが安定しにくい生徒が出てくる可能性もあるということです。自己管理ができる生徒は、どんどん学習を進められますが、そうでない生徒が取り残される可能性があります。その結果、生徒間の学習進捗や理解度に、大きな差が開いてしまうことも考えられます。

生徒の主体性による学習進捗の差

学校として本格的に運用し、成績評価や個別の指導に活かすのであれば、やはり有料の教育用プラットフォームやLMS(学習管理システム)を選択肢として検討することも考えられます。セキュリティやサポート体制、データの活用しやすさなどを総合的に判断し、学校の状況に合ったツールを選ぶことが求められます。

③ プラットフォームの導入・運用コスト

マイクロラーニングを実践するためには、動画やクイズを配信・管理するためのプラットフォームが必要です。YouTubeなどの無料ツールを使えば手軽に始められますが、広告が表示されて気が散ってしまったり、セキュリティ面に不安が残ったりします。また「誰がいつどの動画を見たか」といった、学習データを管理するのが難しいという側面もあるでしょう。

学校として本格的に運用し、成績評価や個別の指導に活かすのであれば、やはり有料の教育用プラットフォームやLMS(学習管理システム)を選択肢として検討することも考えられます。セキュリティやサポート体制、データの活用しやすさなどを総合的に判断し、学校の状況に合ったツールを選ぶことが求められます。

マイクロラーニング教材の準備・活用方法

マイクロラーニングを始めたいけれど「動画教材を全部自分で作るのは大変そう…」と不安に感じる先生も多いのではないでしょうか。実は、必ずしも教材はゼロから作る必要はありません。

まずおすすめしたいのが、YouTubeや「NHK for School」など、既にある良質なコンテンツを活用する方法です。これらをうまく授業に組み込めば、教員が全ての動画を自作する必要はありません。「教材を作る」のではなく「自分の授業に合った教材を選び出す」という視点を持つことが、マイクロラーニングを効率的に取り入れるコツの一つです。

マイクロラーニング教材の準備・活用方法

もし自作する場合でも、いきなり凝った動画を作る必要はありません。まずは、Googleフォームなどを活用して「小テスト」をデジタル化したり、授業スライドに音声を吹き込んだだけの簡単な解説動画から始めてみましょう。大切なのは「1コンテンツ=1テーマ」を徹底することです。欲張らず、1つの動画やクイズで1つのことだけを伝えるように意識すると、生徒にとっても分かりやすく、先生にとっても作りやすい教材になります。

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現場の先生が授業や実務でICT教育を実行していくのに役立つツールやサービスを、目的や種類ごとにご紹介します。

「基礎定着」と「探究学習」を両立させるICT活用戦略

新学習指導要領で「探究」が重視される中、基礎知識の定着もおろそかにできないというジレンマを抱える先生は少なくありません。そこで本章では、この両立を実現するための具体的なICT活用戦略を提案します。

①【課題】「探究学習の時間」が確保できない

多くの高校現場で課題となっているのが「探究学習の時間をどう確保するか」という問題です。探究学習や対話的な学びには、十分な時間が必要です。しかし限られた授業時間中で、以下のような「基礎知識」のインプットに時間を割いているのが現状です。

・ 英単語の暗記
・ 数学の公式理解
・ 歴史用語の習得

【課題】「探究学習の時間」が確保できない

結果として「生徒が主体的に思考し問いを立て、調べ、整理し、表現する」時間を十分に取れないという課題が生じることがあります。一方で、探究はそれ自体が「必要な基礎」を呼び込み、調べたり試したりする過程で基礎知識を身につけていく学びでもあります。そのため、基礎を先にすべて教えてから探究に進むという発想だけでは、授業時間が足りなくなりがちです。探究のプロセスの中に、必要な基礎のインプットと確認を組み込みながら進める設計が求められます。

② 【解決策】ICTツールで基礎学習を効率化

この課題を解決する鍵となるのが「反転授業」という考え方を取り入れたICT活用です。具体的には探究のプロセスの中で「必要な基礎」を学び直せるようにしつつ、基礎のインプットや定着確認の一部を授業外に分散するために、マイクロラーニング(動画やアプリ)を活用します。これを宿題や隙間時間を使って、生徒個人に行ってもらいます。ただし、全員が同じように進められるとは限らないため、まずは「週1回・1テーマ」など小さく始め、授業内でも短い確認(ICTを活用したミニテスト等)を挟みながら運用するのが現実的です。

そのうえで、授業時間は「生徒が基礎知識を持っていること」を前提にしすぎず、事前学習で得た知識を手がかりに進めましょう。これまで講義に使っていた時間を、知識を活用したディスカッション、グループワーク、実験、考察といった「探究活動」に充てるのです。事前学習が未完了の生徒がいても授業が止まらないよう、最低ラインの共有(冒頭2〜3分の要点確認など)を用意しておくと実践しやすくなります。

ICTツールを効果的に使えば、事前に生徒の学習状況を把握できるため、つまずいている部分だけを授業で補足することも可能です。ICTに任せられる部分は任せ、人間にしかできない対話や思考の支援に先生が注力することが、基礎と探究の両立につながるでしょう。

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探究学習の定義や背景を整理し、課題設定でつまずかないための視点を示します。あわせて、総合的な探究の時間や教科での実践例、ICT活用や指導のポイントを紹介します。

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【特別コラム】高校教育でのマイクロラーニング活用術

ここでは、教育現場で実際にマイクロラーニングを活用されている監修者の視点から、実践的なノウハウや考え方を紹介します。

①なぜ「紙の小テスト」をやめたのか? 英語科における基礎定着の効率化

ICT活用の第一歩として、最も導入ハードルが低く、かつ効果を実感しやすいのが「小テストのデジタル化」です。英単語や文法の定着には、日々の反復が欠かせません。しかし従来の「紙の小テスト」は、印刷、配布、回収、そして何より「採点と集計」に膨大な労力がかかっていました。

これをデジタル化するだけで、採点業務は自動化され短時間で完了します。「誰がどこを間違えたか」もデータとして即座に可視化されるため、教員の校務負荷は劇的に下がります。空いた時間を、生徒一人ひとりへの声かけや授業準備に充てられるようになる点は、非常に大きなメリットです。

なぜ「紙の小テスト」をやめたのか? 英語科における基礎定着の効率化

カシオの提供するオールインワンのICT学習アプリClassPad.netは、「小テストのデジタル化」を実現する授業支援機能が搭載されています。このようなツールを活用するのも有効です。

② ゲーミフィケーションで「やらされる学習」から脱却させるコツ

マイクロラーニングと非常に相性が良いのが、ゲーム要素を学習に取り入れる「ゲーミフィケーション」です。これは単に学習を「遊び」にするということではありません。

即時のフィードバックやスコア表示など、人間の心理(報酬系)をうまく利用することで、生徒のモチベーションを「外発的(先生にやらされる)」から「内発的(自分でやりたい)」へとつなげていくことが目的です。

ゲーミフィケーションで「やらされる学習」から脱却させるコツ

また、個人の順位を競うだけでなく「クラス全員で合計〇〇点を目指す」「みんなで協力して目標をクリアする」といったソーシャルな要素を加えることも効果的です。これにより、学習を孤独な作業から、クラス全体で盛り上がる「楽しいイベント」へと変えることができます。

まとめ

マイクロラーニングは、短時間で効率的に学べる手法として、多忙な高校生の学習スタイルに取り入れやすい側面があります。生徒の学習意欲を高め、隙間時間を活用できるだけでなく、先生の教材作成負担を減らすメリットもあります。導入には課題もありますが、YouTubeなどの既存コンテンツを活用したり、まずは小テストのデジタル化から始めたりと、無理のない範囲で取り入れることが可能です。
重要なことは、基礎知識の定着をマイクロラーニングで効率化することで、限られた授業時間を本来注力すべき「探究学習」や「対話的な学び」に充てられるようになる点です。ただし、すべてを授業外に任せてしまうのではなく、探究のプロセスの中で必要な基礎を学び直せるように、授業内の短い確認やフォローと組み合わせて運用することがポイントです。ぜひ、できるところから新しい学習スタイルを取り入れ、生徒の主体的な学びをサポートしていってください。

CASIOでは、ICTを活用したスムーズな授業や「探究的な学び」「主体的・対話的で深い学び」の実践を支援するため、デジタルノート機能や課題共有に活用できる授業支援機能が入った『授業特化型アプリClassPad.net』のトライアル版をご用意しております。ぜひご活用ください。

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著者・監修者 芹澤 和彦

■著者・監修者
芹澤 和彦
高校英語教員/教育クリエイター

講演、企業研修、教員研修、イベント運営を多数実施。英語教育ではEF Excellent Award in Language Teaching 2019 Japan Finalist 第2位の表彰、アントレプレナーシップ教育ではNPO法人BizWorld Japan アドバイザー、ICT教育では2019~2022 Microsoft Innovative Educator Expertの認定を受けるなど、ジャンルを越えて教育実践を展開している。探究やクリエイティブ・ラーニング型授業の実践家である一方で、教員をしながら個人事業として起業。学校と社会の繋がりをつくる多様な活動をしている。
著書『中学校・高等学校 4技能5領域の英語言語活動アイデア』(明治図書)。

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