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  ICT教育・GIGAスクール構想関連コラム

アダプティブラーニングはAIで学習を「個別最適化」する仕組み
教育現場での導入メリットや事例を紹介

アダプティブラーニングはAIで学習を「個別最適化」する仕組み 教育現場での導入メリットや事例を紹介

「生徒の習熟度がバラバラでフォローしきれない」「校務に忙殺され生徒と向き合えない」といったジレンマを抱える先生は多いのではないでしょうか。

GIGAスクール構想で端末整備が進む中、AIを活用して学習を個別最適化する「アダプティブラーニング」が注目されています。そこでこの記事では、アダプティブラーニングの仕組みやメリット、そして現場が抱える「主体性への懸念」に対する解決策を、高校教師の視点に立って分かりやすく解説します。

AIに任せやすい領域と、教師が特に価値を発揮しやすい「属性のある対話」を通してどのように「探究的な活動」をサポートするのか。その具体的な実践方法が理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。

アダプティブラーニングとは?
アクティブラーニングとの違いも解説

教育現場で耳にする機会が増えた「アダプティブラーニング」。ここでは、その基本的な仕組みと、よく比較されるアクティブラーニングとの関係性について整理しましょう。

① アダプティブラーニングとは

アダプティブラーニングとは、AIなどのICT技術を活用し、学習者一人ひとりの習熟度に合わせて学習内容を「個別最適化」する手法です。従来の一斉授業では学習進度や理解度の違いに十分対応しにくい場面もあり、退屈する生徒や取り残される生徒が出ることが指摘されてきました。

アダプティブラーニングは、こうした課題に対してテクノロジーの力を活用しようとするアプローチです。システムが回答履歴・解答時間・誤答の傾向などを分析し、「どこでつまずいているか」「次にどの問題が適切か」を判断します。

アダプティブラーニングとは

その結果、その生徒にとって最適な難易度の問題や、解説を自動的に提示します。画一的ではなく、生徒一人ひとりの状況に合わせてカリキュラムの方を柔軟に調整し「個に適応する」学習スタイルです。

② アクティブラーニングとの違い

教育現場でよく耳にする言葉に「アクティブラーニング」があります。アクティブラーニングは、学習者が能動的に学びに関わる「学習・指導の方法」です。議論や課題解決を通じ、思考力や主体性を育むことが目的です。

アダプティブラーニングとアクティブラーニングは、教育効果を高める補完関係にあります。例えば、従来は授業時間の多くを割いていた「知識の伝達(レクチャー)」や「ドリル演習」を、アダプティブラーニング(AI)に任せて効率化します。

アクティブラーニングとの違い

すると、授業の中で今まで時間が足りずに十分に取れなかった「対話」や「探究」の時間、つまりアクティブラーニングの実践時間を捻出できるようになります。「AIが基礎固めをサポートし教師が対話や深堀りをリードする」この役割分担は、多くの学校で参考にされつつある運用モデルのひとつといえるでしょう。

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アクティブラーニングとは何か、メリットや課題、そして具体的な手法や実践例などをご紹介します。

【生徒】アダプティブラーニングのメリット

アダプティブラーニングの導入は、学習の主体である生徒たちにどのような変化をもたらすのでしょうか。ここでは、具体的なメリットを解説します。

学習効率の向上

生徒にとっての最大のメリットは、学習効率が劇的に向上することです。従来の一斉授業では、すでに十分に理解している内容を繰り返したり、逆に全く理解できていない応用問題に直面したりするなど、生徒によっては学習ペースが合わない場面がありました。結果的に、生徒の学習意欲を削ぐ原因にもなっていました。

アダプティブラーニングでは、AIが学習者の理解度を瞬時に判定し「今取り組むと効果的な課題」をピンポイントで提示することが可能です。「周りの友達に合わせる必要がない」ことは、学習ストレスの軽減にもつながりやすいと言われています。

学習効率の向上

また、自分のペースで着実にステップアップできるため「わかった!」という成功体験が得られ、モチベーション維持にもつながります。限られた時間で部活動や課外活動と勉強を両立させたい高校生にとって、効率的な学習が可能になる点は大きな利点といえるでしょう。

弱点の早期発見・克服

学習につまずく生徒の多くが「どこが分からないのかが、分からない」という状態に陥っています。アダプティブラーニングは、この状態の可視化を手伝い、生徒自身による問題の再認識と課題の設定をサポートすることができます。

AIは学習データを分析し、生徒が間違えた問題の傾向から「どの単元の理解が不足しているか」を特定します。例えば数学の二次関数でつまずいている生徒に対して、原因となっている中学数学の一次関数や方程式の基礎まで遡り、関連する復習問題を提示します。

弱点の早期発見・克服

このようにスモールステップで「学び直し」のルートが整理されるため、生徒は方向性を持って弱点克服に取り組みやすくなります。また、このプロセスは生徒自身の端末内で行われるため「恥ずかしいから質問できない」という内向性の強い生徒の心理的ハードルが下がり、一人ひとりの「分からない」に寄り添った支援を実現します。

【教師】アダプティブラーニングのメリット

生徒だけでなく、日々指導にあたる教師にとっても、アダプティブラーニングは大きな助けとなります。ここでは、その具体的なメリットを見ていきましょう。

指導の個別化・均質化

データに基づいて学習状況を把握できることで、「指導の個別化」を行いやすくなる点は、教師にとって大きなメリットです。30〜40人の生徒を抱えるクラスで一人ひとりの理解度を詳細に把握し、それぞれに合った指導を行うことは、時間的にも物理的にも難しい場面があります。

アダプティブラーニングを導入することで、生徒の学習進捗や理解度がダッシュボード上でリアルタイムに可視化されます。「クラス全体の正答率が低い問題はどこか」「特定の生徒がどの単元で停滞しているか」といった情報を把握しやすくなります。

指導の個別化・均質化

この客観的なデータがあれば、授業の冒頭でクラス全体がつまずいているポイントを重点的に解説したり、進捗が遅れている生徒をフォローしたりといったアクションが取りやすくなります。教師の経験年数に関わらず、一定の基準で個別支援を行えるようになることは、学校組織全体としても大きな利点と言えるでしょう。

校務負荷の軽減

働き方改革が叫ばれる中、教師の多忙な校務負荷をいかに軽減するかは喫緊の課題です。アダプティブラーニングを導入すれば、教材作成・採点・集計・分析といった一連の業務をシステムが補助するため、校務負荷を大幅に軽減することが可能です。

そして自動化によって生まれた時間を、教師が本来行うべき「対人業務」に充てられるようになります。例えば生徒の悩み相談に乗ったり、探究学習のプロジェクトに伴走したり、あるいは生徒同士の対話を深めるための授業準備をしたりといった「AIで代替しにくい業務」です。

校務負荷の軽減

「生徒と向き合う時間をとりたい」「忙しさのあまり生徒と向き合う時間がとれない」というジレンマを解消し、教師としてのやりがいを再確認できる環境を作るためにも、ICTによる業務効率化は欠かせない要素となります。

アダプティブラーニング導入における懸念点

多くのメリットがある一方で、導入にあたってはいくつかの課題も指摘されています。ここでは、事前に知っておくべき懸念点を3つ解説します。

生徒の主体性低下

アダプティブラーニング導入において、現場の先生方が最も心配されるのが「生徒の主体性が弱くなるのではないか」という点です。アダプティブラーニングは、学習者に必要な次のステップを提示してくれる点が強みですが、その便利さゆえに、場合によっては生徒が受動的に「提示された課題をこなすだけ」になってしまう可能性もあります。

そのため、「自分で学習計画を立てる」「必要な学びを自分で選ぶ」といったプロセスを意識的に組み込まないと、主体的な学習への接続が弱まることが懸念されます。

生徒の主体性低下

また、学習がドリルを解くだけの単調な作業になってしまうと、生徒は「やらされ感」を抱き、学習意欲そのものが低下してしまうリスクもあります。だからこそ、導入する際にはAI任せではなく、生徒自身が選択する場面を意図的にデザインすることや、AI活用の意義を生徒に理解してもらうことが重要になります。

AIが不向きな分野がある

「AIは万能ではない」ということも理解しておく必要があります。アダプティブラーニングが得意とするのは、答えが一つに定まっている問題(知識・技能の習得)の効率化です。数学の計算、英単語の暗記、理科や社会の用語知識などは、AIの力が最大限に発揮される領域です。

一方で、答えのない問いに向き合う学習や、非認知能力と呼ばれるスキルの育成には向いていません。例えば、他者と協力して課題を解決するコミュニケーション能力、リーダーシップや共感性、創造性、批判的思考力などは身につきにくいでしょう。

※近年はAIが議論支援・思考可視化を補助する研究も進んでいますが、主体的な対話や協働経験そのものを代替する段階には至っていません。

AIが不向きな分野がある

また、体育の実技や理科の実験、楽器の演奏、美術の制作といった、身体感覚を伴う学びもAIによる代替は困難です。アダプティブラーニングを導入する際は「AIに任せる領域」と「人間(教師や生徒同士)が担う領域」を明確に区別することが重要です。

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AI教育のメリットとデメリットを整理し、文部科学省のガイドラインで示された考え方を踏まえながら、現場の先生3名へのインタビューから見えてきたリアルな視点をご紹介します。

ツール選定が難しい

アダプティブラーニングを含むICTツールは多くの企業から様々なサービスが提供されていますが、それぞれに機能や特長が異なり、学校の現状に合ったツールを選ぶのは容易ではありません。さらに、現場の負担になるのが「ツールの乱立」です。

「英語の辞書はあのアプリ」「授業の振り返りは別のツール」……というようにバラバラのツールを導入してしまうと、ID・パスワードの管理が煩雑になり、授業中にアプリを切り替えるだけでもタイムロスが発生します。せっかくのICT活用が億劫になり、結局使われなくなってしまうという失敗例も少なくありません。

ツール選定が難しい

そのため、できるだけ機能が統合された「オールインワン型」のツールを選ぶことが、運用の定着に向けた重要なポイントとなります。辞書やノート、授業支援機能などが一つのプラットフォームで完結するサービスであれば、スムーズな授業展開が可能になります。

ClassPad.netの中の 『オンライン辞書』『デジタルノート』『学習ツール』『授業支援』をご利用できます。 実際に授業で使用してお試しください!

教育現場でアダプティブラーニング導入を成功させる方法

懸念点を解消し、アダプティブラーニングの効果を最大化するためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。ここでは、成功のためのポイントを紹介します。

① 情報源の統一とハブ機能による探究学習の実践

アダプティブラーニング導入を成功させるための最大の鍵は「AIと教師の役割分担」を以下のように明確に定義することです。

【AIの役割】

● 基礎知識の定着(インプット): 宿題や授業の冒頭時間などを使い、個々の習熟度に合わせて効率的に知識を定着させる。
● データの収集・分析: 生徒のつまずきを可視化し、教師の判断材料となるフィードバックを提供する

【教師の役割】

● 知識の活用・探究の場づくり(アウトプット含む): AIで得た知識を使って、思考を深める対話やグループワーク、探究活動をファシリテートする。
● モチベーションの支援:生徒が学びの意義を実感できるよう働きかけ、やる気を涵養し、主体的な学びを支援する。
● ケアとコーチング: AIのデータで見つかった課題に対し、対面で細やかなフォローを行う。

このように「基礎はAI、応用と対話は教師」というハイブリッドな授業モデルを構築することで、効率化と教育の質の向上の双方を目指しやすくなります。ただし、学校の実情や学年の特徴によって最適なバランスは異なるため、定着までには試行錯誤が必要です。

② ICTインフラの整備

アダプティブラーニングの実践には、安定したICTインフラが不可欠です。GIGAスクール構想により生徒1人1台の端末配備は進みましたが、それだけでは十分ではありません。授業中に生徒全員が一斉にアクセスしても遅延しない高速なWi-Fi環境や、家庭学習でも活用できるような持ち帰りのルール作り、個人情報保護やセキュリティ対策など運用体制の整備が求められます。

また、学習データを継続的に活用するためには、生徒が日常的に端末を使用する習慣づけも必要です。端末が「特別な時に使うもの」ではなく「“学習の基本ツール”=文房具の一つ」として定着して初めて、リアルタイムなデータ収集と個別最適化が可能になります。

ICTインフラの整備

教育現場におけるICT学習ツールの導入事例

実際にICTツールを活用し、AIと教師の役割分担を実践している現場では、どのような授業が行われているのでしょうか。AIによる効率化と、教師による対話的な学びの両立を実現するためのツールとして、カシオ計算機の「ClassPad.net」が多くの学校で導入されています。

ClassPad.netは、辞書・デジタルノート・授業支援機能などが一つになったオールインワン型のICT学習アプリです。ここでは、ClassPad.netを活用して「教師にしかできない学び」を充実させた導入事例を紹介します。

匿名提出機能で意見表現が活発に

高校の授業において「生徒になかなか発言してもらえない」というのは多くの先生共通の悩みではないでしょうか。思春期の生徒たちは「間違ったら恥ずかしい」「目立ちたくない」という心理が働き、挙手を求めても反応が鈍いことが多々あります。

石川県の導入校では、この課題に対し、ClassPad.netの「ふせん機能」と「提出箱」を活用しました。生徒は課題に対する意見をデジタルふせんに書き、匿名で提出できる設定にすることで、普段は発言しない生徒も意見を書き込みやすくなりました。

匿名提出機能で意見表現が活発に

集まったふせんは、プロジェクターを通してクラス全体で共有されます。「こんな考え方もあったのか」「自分と同じ意見の人がいる」という気づきが生まれ、誰が言ったかではなく「意見の中身」に注目した活発な議論が展開されるようになりました。

引用元:導入/実践事例|授業中や授業の振り返り時の課題の提出率がアップ!知識の定着に大きく貢献!

話し合いを可視化してアクティブラーニングを実現

アクティブラーニングにおいて重要なのは、最終的な「正解」を出すことだけでなく、そこに至るまでの「話し合いのプロセス」です。埼玉県の導入校では、ClassPad.netの「デジタルノート」を活用して、このプロセスを可視化する試みが行われています。

生徒たちはグループワークの中で、班ごとの考察や議論の流れを一つのデジタルノートにリアルタイムで共同編集していきます。教師は手元の端末から全グループの進捗状況をモニタリングできるため、議論が停滞している班に助け舟を出したり、ユニークな視点を持っている班を全体に紹介したりといったサポートが的確に行えます。

話し合いを可視化してアクティブラーニングを実現

さらに、完成したノートをクラス全体で共有することで、自分たちとは異なるアプローチや思考のプロセスを学び合うことができます。「答え」だけでなく「考え方」を共有することで、生徒は多角的な視点や応用力を養うことができます。

引用元:導入/実践事例|効果的なアクティブラーニングが可能に!

まとめ

アダプティブラーニングとは、AIなどを活用することで生徒一人ひとりに合った学習内容を提示し、効率的かつ効果的に学習を進められるよう支援する方法です。情報化社会が進む中、自ら問題を発見し、課題を整理し、解決に向けて学び続けるための知識や技能を育むための方法として注目されています。

AIやICTを活用して学習データの分析が進むにつれ、これからアダプティブラーニングはさらに発展していくと考えられます。アダプティブラーニング導入に際して「AIに任せられること」と「先生にしかできないこと」を見つめ直すことは、これからの時代の教師の価値を再確認するきっかけになるでしょう。

CASIOでは、ICTを活用したスムーズな授業や「探究的な学び」「主体的・対話的で深い学び」の実践を支援するため、デジタルノート機能や課題共有に活用できる授業支援機能が入った『授業特化型アプリClassPad.net』のトライアル版をご用意しております。ぜひご活用ください。

教師、自治体、学校関係者の皆さまへ

※トライアル版お申し込みは教師、学校・自治体関係者に限らせていただきます

著者・監修者 芹澤 和彦

■著者・監修者
芹澤 和彦
高校英語教員/教育クリエイター

講演、企業研修、教員研修、イベント運営を多数実施。英語教育ではEF Excellent Award in Language Teaching 2019 Japan Finalist 第2位の表彰、アントレプレナーシップ教育ではNPO法人BizWorld Japan アドバイザー、ICT教育では2019~2022 Microsoft Innovative Educator Expertの認定を受けるなど、ジャンルを越えて教育実践を展開している。探究やクリエイティブ・ラーニング型授業の実践家である一方で、教員をしながら個人事業として起業。学校と社会の繋がりをつくる多様な活動をしている。
著書『中学校・高等学校 4技能5領域の英語言語活動アイデア』(明治図書)。

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「ClassPad.net」とは、カシオが電子辞書や関数電卓で
長年培ってきたノウハウをいかし、
開発されたICT学習アプリです。

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