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【目的別】思考ツール(シンキングツール)一覧
探究学習における重要性と実践事例を紹介
「思考ツールを使っても、生徒が枠を埋めるだけの作業になり、思考が深まらない」とお悩みを抱える先生も多いのではないでしょうか。本来、思考ツールは生徒の自走力を育む強力な武器です。しかし、使い方の目的が曖昧なままでは、単なる「お絵描き」で終わってしまうリスクもあります。
本記事では、形骸化を防ぐ指導法や目的に合わせたツールの選び方を解説。さらに、ICTツール「ClassPad.net」を活用し、辞書とノートを連携させて深い学びを実現した高校の実践事例も紹介します。探究的な学びを加速させるヒントとしてご活用ください。
※「シンキングツールⓇ/シンキングツール」は登録商標です。本ページでは、学習活動における思考整理の枠組みを説明する目的で用いており、当社製品・サービスの名称(機能名を含む)を示すものではありません。また、本ページに掲載する当社製品・サービスの紹介は、当社による情報提供であり、商標権者による推奨・提携・承認を示すものではありません。
思考ツール(シンキングツール)とは?
探究学習における重要性も解説
「思考ツール」という言葉は浸透してきましたが、効果的に活用するためには、その定義と「なぜ今の学校教育でこれほど重要視されているのか」を理解しておく必要があります。ここでは、ツールの教育的効果と探究学習との関係性について解説します。
思考ツールの定義と3つのメリット(可視化・共有・メタ認知)
思考ツールとは、単なる情報整理術にとどまらず、生徒の認知プロセスを外部化し、より高度な思考へと導くための「認知的足場」です。授業での活用には、主に以下の3つのメリットがあります。
• 思考の可視化(外化)
• 認識の共有と対話の促進
• メタ認知能力の育成
「思考の可視化」とは、情報を書き出すことで頭の中で情報を保持し続ける負担を軽くし、分析・比較・統合などに意識を向けやすくすることです。「認識の共有と対話の促進」は他者の思考プロセスを視覚的に共有することで、言葉では伝わりにくい前提や着眼点まで理解し合い、表面的な議論を超えた深い対話を生み出します。
「メタ認知能力の育成」により「比較」や「因果」といった自身の思考モードを自覚し、目的に応じてツールを選択するプロセスを通じ、自ら学びを調整する力が育まれます。
参照元:文部科学省|主体的・対話的で深い学びの実現に向けたICT活用の在り方と質的評価
探究学習における思考ツールの重要性
新学習指導要領で求められる「主体的・対話的で深い学び」において、思考ツールは生徒の主体性を引き出すための有効な手立てのひとつです。特に「総合的な探究の時間」では、課題の設定、情報の収集や整理・分析、そしてまとめ・表現といった探究の過程において、思考を可視化しながら試行錯誤することが求められます。
情報の信頼性を検証したり、論理的な構成を組み立てたりする場面で、思考ツールを目的に応じて使い分けながら活用することは、探究の質を高めるうえで効果的です。また、GIGAスクール構想によって1人1台の端末環境が整った現在では、紙のワークシートにあった「修正の手間」や「物理的な管理の煩雑さ」という制約を軽減できる場面も増えています。デジタルの思考ツールであれば、試行錯誤が容易であり、探究学習の手法として活用が広がりつつあると言えるでしょう。
関連コラム
探究学習の定義や背景を整理し、課題設定でつまずかないための視点を示します。あわせて、総合的な探究の時間や教科での実践例、ICT活用や指導のポイントを紹介します。
【目的別】代表的な思考ツール(シンキングツール)一覧
思考ツールの種類は多岐にわたりますが、重要なのは「どのツールを使うか」ではなく、「何をしたいか(目的)」に合わせて選ぶことです。ここでは代表的なツールを、その機能と目的に応じて4つのカテゴリーに分類しました。授業設計の際にお役立てください。
| 目的・用途 | ツール名 | 特徴・思考操作 | 活用場面・教科例 |
|---|---|---|---|
| 比較・分類 | ベン図 | 2つ以上の事象の「共通点」と「相違点」を可視化する | 英語(異文化理解)、社会(制度比較)、意見の対立整理 |
| マトリクス(表) | 行と列の2軸で整理し、全体像や抜け漏れを把握する | 歴史(時代×分野)、理科(性質分類)、情報の整理全般 | |
| 座標軸 | 縦軸・横軸(例:重要度×緊急度)で要素の位置付けを分析する | 国語(心情曲線)、探究(課題の優先順位付け) | |
| 構造化・因果 | フィッシュボーン | 特定の結果に対する「要因」を洗い出し、構造化する | 探究(問題解決)、歴史(戦争の原因)、理科(実験結果の要因) |
| クラゲチャート | 足に「理由・根拠」、頭に「主張・結論」を書き論理を支える | 小論文(構成案)、国語(論理分析)、意見発表 | |
| ピラミッドチャート | 事実(下)→理由(中)→結論(上)へと論理を積み上げる | 論文・レポート作成、プレゼン構成、論理的思考の整理 | |
| 多面的・順序 | X・Y・Wチャート | テーマを3〜4つの切り口で分類し、多面的な視点を養う | 地理(多角的な分析)、生活(活動の振り返り) |
| ステップチャート | 物事の順序、手順、時系列の変化を整理し見通しを持つ | プログラミング(手順)、歴史(年表)、国語(物語の展開) | |
| 発想・評価 | イメージマップ | 中心テーマから連想を放射状に広げ、アイデアを発散させる | 全教科(ブレインストーミング)、行事の企画 |
| KWLチャート | 知っている(K)・知りたい(W)・学んだ(L)を整理する | 探究(リサーチの指針)、学習の振り返り(メタ認知) | |
| PMI法 | 良い点(P)・悪い点(M)・興味深い点(I)の3視点で評価する | ディベート準備、意思決定、ニュースの多面的理解 |
比較・分類する(ベン図、マトリクス、座標軸)
物事の特徴を捉えたり、違いを明確にしたりする際には、以下の3つのツールが有効です。
ベン図
2つ以上の事象の「共通点」と「相違点」を可視化する
マトリクス(表)
行と列の2軸で整理し、全体像や抜け漏れを把握する
座標軸
縦軸・横軸(例:重要度×緊急度)で要素の位置付けを分析する
「ベン図」は円の重なりで集合関係を可視化し、共通の特徴や相違点を整理する手がかりになります。その中で物事の本質を考えたり、独自性を見出したりする機会がうまれます。一方で「マトリクス」は、行と列で情報を網羅的に整理でき、観点(軸)を自分で設定して比較する思考の練習として活用できます。「座標軸」は直交する2軸上に要素を配置し、傾向分析や優先順位付けに力を発揮します。これらの「比較・分類」ツールを適切に使い分けることで、生徒の多角的な視点と分析の深まりを支えることができます。
構造化・因果関係を整理する(フィッシュボーン、クラゲチャート)
問題の原因を探ったり、自分の主張を論理的に組み立てたりする場合には、以下のツールを活用します。
フィッシュボーン
特定の結果に対する「要因」を洗い出し、構造化する
クラゲチャート
足に「理由・根拠」、頭に「主張・結論」を書き論理を支える
ピラミッドチャート
事実(下)→理由(中)→結論(上)へと論理を積み上げる
「フィッシュボーン」は結果への要因を魚の骨状に構造化し、問題を多面的に捉えるのに役立ちます。「クラゲチャート」は根拠(足)で結論(頭)を支える形で、主張と根拠のつながりを可視化できます。「ピラミッドチャート」は事実・理由・結論を下から積み上げるツールで、小論文等の文章や発表の構成を組み立てる際の下書きとして有効です。これらのツールは、因果関係の整理や論理構築の学習を支える手立てになります。
多面的に見る・順序立てる(X・Y・Wチャート、ステップチャート)
視点を切り替えたり、時間の流れを整理したりする際には、以下のツールが役立ちます。
X・Y・Wチャート
テーマを3〜4つの切り口で分類し、多面的な視点を養う
ステップチャート
物事の順序、手順、時系列の変化を整理し見通しを持つ
「X・Y・Wチャート」は、テーマを3~4つの切り口で分類し、物事を多面的に捉える力を養います。一方、「ステップチャート」などは、手順や時系列を可視化して全体の見通しを持たせるのに適しています。視点の切り替えや、プロセスの変化を的確に捉えさせたい場面で、ぜひ活用してください。
発想を広げる・振り返る(イメージマップ、KWL、PMI)
アイデア出しや学習の振り返りには、以下のツールが適しています。
イメージマップ
中心テーマから連想を放射状に広げ、アイデアを発散させる
KWLチャート
知っている(K)・知りたい(W)・学んだ(L)を整理する
PMI法
良い点(P)・悪い点(M)・興味深い点(I)の3視点で評価する
アイデアを広げるには、連想を放射状につなぐ「イメージマップ」が有効です。質より量を重視するブレインストーミングなどで、思考の停滞を打破するのに役立つでしょう。振り返りには「KWLチャート」が適しており、学習前後の変化を整理してメタ認知を促します。また、客観的な評価や検討の場面には「PMI法」を活用してください。良い点・課題・興味深い点の3つの視点で整理できます。このような、冷静に分析する習慣が、感情に流されない判断力を養います。
【教育クリエイターが語る】 思考ツール(シンキングツール)活用の本質
ツールを配っても生徒の思考が深まらない場合、そこには「使い方の指導」以前に、目的や意図の設計が十分に共有されていないといった課題が隠れていることがあります。本記事の監修者である教育クリエイター・芹澤和彦先生の視点に基づき、形だけの活用から脱却し、生徒の学びを本質的に深めるためのポイントを解説します。
形式的な活用に陥る「思考停止」の罠と脱却法
学校現場でよく見られる課題として「活動は活発だが、学びそのものは深まっていない」という現象があります。これは生徒にとって思考ツールを使うこと自体が目的化し、枠を埋める作業になってしまっている場合に起こりがちです。
この「思考停止」の罠から脱却するには「どのツールを使うか」を教える前に「何を明らかにしたいか」という目的意識を先に涵養することが重要です。最初は、教師がツールを指定する「守」、次にいくつかの選択肢から生徒が選べるようにする「破」、最終的には生徒自身が最適なツールを選ぶ「離」へと段階的に移行すると効果的です。
思考ツールを単なる枠組みではなく「思考の増幅装置」として捉え、生徒自身が「この課題にはこのツールが使える」と判断できる状態を目指しましょう。
思考を深める鍵は「言葉の解像度」
思考ツールの枠を埋める際、そこに書き込まれる「言葉」の意味が曖昧であれば、いくら綺麗な図を作っても論理は破綻してしまいます。思考を深めるための重要なポイントは、扱う言葉の定義や範囲を揃える「言葉の解像度」にあるのです。
インターネット検索で出てくる手軽な情報だけに頼らず、信頼できる辞書を使って定義をしっかりと確認した言葉を使うことで、思考の精度は格段に高まります。「辞書引き」と「思考ツールの活用」は組み合わせて扱うと効果が出やすく、言葉へのこだわりが探究活動の質を左右する要因の一つになります。
探究的な学びへつなげる「ワクワク」と「横展開」のステップ
思考ツールを定着させるためには、生徒の心理的なハードルを下げる工夫も必要です。最初のステップとしては、正解のない問いや、生徒の興味関心が高いテーマ(例:推しの魅力分析など)でツールを使ってみることをおすすめします。まずは「頭の中が整理される心地よさ」や「ワクワク感」を生徒に体験してもらうことが重要です。
次のステップとして、例えば国語の授業で覚えた「クラゲチャート」を理科の実験考察で使ってみるといった、教科を横断した「横展開(転移)」を促します。こうすることで、ツールが「特定の教科だけのやり方」ではなく、汎用的な「思考スキル」として定着し、生徒が学び続けるためのツールボックスとなるでしょう。
【教科別】ClassPad.netを活用した
思考ツール(シンキングツール)実践事例
理論だけでなく、実際に現場の先生方はどのようにツールを活用しているのでしょうか。ここでは、辞書機能や共有機能を備えたICT学習アプリ「ClassPad.net」を導入し、生徒の思考のプロセスを可視化し、学びを深める工夫をしている3つの高校の実践事例をご紹介します。
国語(古典):話し合いのプロセスを可視化し読み解きを深める
浦和実業学園中学校・高等学校の国語科(古典)では『源氏物語』(桐壺)の授業において、思考ツールとICTを効果的に組み合わせて活用しています。「なぜ帝は急いで桐壺を参内させたのか」といった問いに対し、班ごとの話し合いの過程をデジタルノートの「ふせん機能」を使って可視化・集約しています。
この実践のポイントは、単なる結論だけでなく「そこに至るまでの考え方(プロセス)」を共有・解説している点です。他者がどのような道筋で結論を出したのかを知ることで、読みの根拠や視点が明確になり、解釈の幅が広がりやすくなります。また、議論の中で「楊貴妃のためし」などの重要語が出てきた際には、その場ですぐにオンライン辞書機能を使って意味を検索し、用語理解をそろえたうえで考察が行われています。
浦和実業学園中学校・高等学校(国語) 活用事例
社会(地理総合):マインドマップと辞書活用で「情報の質」を高める探究
静岡サレジオ高等学校の地理総合の授業では、東アジアの地誌(韓国の受験過熱化)をテーマにした探究的な学びが行われています。生徒はその背景にある文化や産業について調査し「マインドマップ」を作成して思考を整理していきます。この際に不明な用語はすぐにオンライン辞書で調べ、その定義をデジタルノートにふせんとして貼り付けます。
ネット検索だけに頼らず、信頼できる辞書の情報を引用することで、情報の正確性を担保しつつファクトチェックの手間を減らすことが可能です。さらにグループワークでは、他者の発表に対してデジタルノート上で「ふせん」を使ってコメントを貼り合い、リアルタイムな相互評価(フィードバック)を実現しています。
静岡サレジオ高等学校(地理総合)活用事例
英語:辞書とふせんを活用した「思考のプロセス」の重視と定着
遊学館高等学校の英語科では、和文英訳や文法(助動詞Can)の授業において、思考のプロセスを重視した指導が行われています。検索や翻訳ツールも選択肢にしつつ、まずはClassPad.netのオンライン辞書を使って「品詞」や「例文」まで確認し、根拠をもって表現を選ぶプロセスを大切にしています。
授業の最後には、プリントを見ずにその時間学んだ内容をふせんに書き出す「アクティブリコール」を行い提出します。信頼できる辞書を参照する習慣があると、「自分で考え、情報の正誤を確かめる」姿勢が育まれやすくなります。また、ふせん機能での提出は匿名性を保てるため、普段は手を挙げにくい生徒も意見を出しやすくなり、クラス全体の理解の可視化ができ、知識の定着のサポートがしやすくなったり、参加意欲の向上につながったりします。
遊学館高等学校(英語)活用事例
まとめ
思考ツールは情報の整理にとどまらず、思考を可視化し、対話を深めて自走力を育むための重要な「足場」です。その効果を最大限に引き出すには、形式的な「穴埋め作業」から脱却し、「何を明らかにしたいのか」という目的意識と言葉の定義を丁寧にそろえることが大切です。
ICTツール「ClassPad.net」を活用すれば、辞書検索から思考、共有までをシームレスにつなぎ、深い学びをサポートできます。デジタルの力を借りて、生徒たちが主体的に考え、対話し、試行錯誤できる授業づくりにつなげてください。具体的な授業での活用法や操作感を知りたい先生は、ぜひ「導入実践事例」をご覧いただくか「無料トライアル」を試してみることをおすすめします。
CASIOでは、ICTを活用したスムーズな授業や「探究的な学び」「主体的・対話的で深い学び」の実践を支援するため、デジタルノート機能や課題共有に活用できる授業支援機能が入った『授業特化型アプリClassPad.net』のトライアル版をご用意しております。ぜひご活用ください。
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■著者・監修者
芹澤 和彦
高校英語教員/教育クリエイター
講演、企業研修、教員研修、イベント運営を多数実施。英語教育ではEF Excellent Award in Language Teaching 2019 Japan Finalist 第2位の表彰、アントレプレナーシップ教育ではNPO法人BizWorld Japan アドバイザー、ICT教育では2019~2022 Microsoft Innovative Educator Expertの認定を受けるなど、ジャンルを越えて教育実践を展開している。探究やクリエイティブ・ラーニング型授業の実践家である一方で、教員をしながら個人事業として起業。学校と社会の繋がりをつくる多様な活動をしている。
著書『中学校・高等学校 4技能5領域の英語言語活動アイデア』(明治図書)。
全国の中学校・高等学校で導入されているICT教育をサポートする、カシオの「ClassPad.net」
「ClassPad.net」とは、カシオが電子辞書や関数電卓で
長年培ってきたノウハウをいかし、
開発されたICT学習アプリです。
「ClassPad.net」とは、カシオが電子辞書や関数電卓で
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【主な特長】
2.自由度の高いデジタルノート機能
辞書の検索結果や例文、Webページ・YouTube・Google マップのリンクなどを自由に貼り付けられるデジタルノート。調べてまとめることで思考力が身につきます。
画面は全て開発段階のため、最終仕様と異なる可能性がございます。